力の弱いもの、貧しいものにつけ。得を取ろうとせず人に与えろ。それが本当の強い生きざまだと言っておく。便利なものには徹底的に逆らえ

■雀鬼流・人生道場 「強さの奥義」 -青春出版社-

力の弱いもの、貧しいものにつけ。得を取ろうとせず人に与えろ。それが本当の強い生きざまだと言っておく。便利なものには徹底的に逆らえ

自然と向き合って、
自らを制約して、
行動しなければ生きてはいけないだろう。

それが大自然の掟ってことだ。
だから仕事も真剣にやる。

しかし、制約ばかりでは生きていかれないから、
自由というお休みをとりなさいと。

そのバランスの上に生命が成り立っているってことを自覚すれば、
仕事の悩みなんかほとんど消えちまうはずさ。


by. 桜井章一氏

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陰徳とはつまり、
人に知られないように行う善行のことをいうけれども、
近ごろ、逆が多い。

陽徳だよな。


by. 桜井章一氏

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――この世の生が完全であった時代には誰も価値ある人間に敬意を払うこともなく、
能力ある人を敬うこともなかった。

支配者とは樹の天辺の枝にすぎず、
人民は森の鹿のようだった。

彼らは誠実で正しかったが、
自分たちが「義務を果たしている」という認識はなかった。

彼らは互いに愛し合い、
しかもそれが「隣人愛」だとは知らなかった。

彼れは誰も欺すことはなかったが、
それでも自分たちが「信頼すべき人間」だとは認識していなかった。

彼らは頼りになる人間だったが、
それが「誠」だとは知らなかった。

また与えたり受け取ったりしながら、
自由に生きていたが、
自分たちが「寛大」だとは知らなかった。

このゆえに彼らの行為は語られたことがない。
彼らは歴史を作らなかった――。


by. 桜井章一氏

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ことさらに人間はこうあるべきだ、
なんて言わなくても、
自然に振るまっていて、
お互いに認め合い、尊重し、
それぞれが自立している。

これこそが俺の理想とする人間像だし、
社会像でもある。

そうした”完全な人間”は自ら主張し語ることがないから、
決して人前に出て来ることがないんだ。

悪に満ちているから、
ことさらに善を取り上げ、
偽りに溢れているから、
真実だの誠だのという概念が生まれる。


by. 桜井章一氏

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俺の指針の中に「準備」「実行」「後始末」という心構えがある。

この場合、事前に事が大きくなることを直感することが「準備」なわけだ。

何をするにしたってきかっけや動機というものがある。

「お前にもきっかけを与える何かがあったんだ。」


by. 桜井章一氏

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「空気を読む」社会はなぜ活力を失うのか?雀鬼・桜井章一氏が、個人が守りの姿勢に入ることが同調圧力を強め、独創性を奪うと警鐘を鳴らします。ミスを感情で広げず、「準備、実行、後始末」を循環させて運を引き戻すための、具体的な修正法を解説。

「だからといってお前に始末できることと、
できないことがある。

かえってできもしねえことを、
自分でどうにかしようとすることのほうが、
臆病なこともある。

それを未然に防げたんだから、
それを勇気というんだよ」

「準備」「実行」「後始末」もさることながら、
今回のことを問題なく終わらせることができた根底には、
大きなものが小さなもの、
弱いものにたかったり、
力に屈服させるということが大嫌いだという、
俺の生来の気質がある。


by. 桜井章一氏

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男なら「小」にこだわれ。
本当に強い奴なら「小」につけ。

俺はいつもそうした生きてきたし、
雀鬼会の若い奴にもそういう生き方を教えている。

「小」に立つことで見えにくい全体像が見えてくることもある。

なぜなら「大」には嘘やごまかしがいっぱいくっついているからだ。


by. 桜井章一氏

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だからこそ周囲に打ち勝ち「大」になれたのだから。

男なら「小」を選べ。

力の弱いもの、
貧しいものにつけ。

得を取ろうとせず人に与えろ。
それが本当の強い生きざまだと言っておく。


by. 桜井章一氏

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20年間無敗の雀鬼・桜井章一氏が語る、人生における「楽」と「厳しさ」の選択。楽な道を選ぶ者は必ずダメになる。困難やリスクへの挑戦こそが人生のお守りになるという哲学を説きます。勝負を制する「相互感」「時の感覚」の極意や、不得意分野を改善することで攻守力が飛躍的に高まる理由を解説。

男は、権力に近づくなと、
俺は言い続けているが、
その理由をここでハッキリさせておこうか。

まず、権力とは何かってことだな。

「あくなき便利を追求するものである」
と俺は見ているよ。

金というものは、便利なものだよ。
もっとも便利なものだ。


by. 桜井章一氏

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金があればたいがいのことはカタがつくと思っているじゃねえかよ。

だからみんなで追求した結果として、
文明が進歩してきたわけだ。

とくに近代社会になってからは、
合理主義が社会の根っこになってしまっているだろう。

それは、便利を追求することだろう。


by. 桜井章一氏

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だから合理化ってのは、
便利なコンピューターやら最新の機器を導入して、
ムダな人間を排除することなんだろう。

権力者はすべての権限を握っているのだから、
金も得ることができるし、
何か悪いことをしても、
握りつぶすことだって簡単にできる。

つまり権力者とは、
便利というものを一番多く持っている立場の人間のことをさす。

まるで欲望という名の電車に乗りさえすれば、
便利と進歩に向かっていけるという錯覚を持って、
みんなうごめいているんだよ。


by. 桜井章一氏

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麻雀界の伝説、雀鬼・桜井章一氏の著書『人を見抜く技術』を推奨。実践で培った人間観察力と、人の「癖」から心理状況を見抜く洞察の本質を紹介します。「頑張り」が招く“酔い”から覚醒し、こだわりと柔軟性の両面を持つ生き方、そして心理を如実に物語る「動き」を感覚的に捉える極意を解説。

それに乗れば、
少しでも権力に近づけると思っているけれども、
実際の権力というものは、
上に行けば行くほど汚れているものだ。

もう役に立たないから、切り捨てる。
これも便利の構図だよ。

利権に群がるのも、
そこに便利があるからだろう。

男は不合理にこそ立ち向かえ、
と言いたいね。


by. 桜井章一氏

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それが正義じゃねえのかい。

不合理でいいじゃねえか、
不条理に面と向かって立ち向かう姿勢で弱いものを守る。

そのための忍耐、犠牲心を持つのが男だろうよ。

だけどよ、権力というのは、
もともと恵まれているんだよ。


by. 桜井章一氏

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東大を出たとか、
家柄がいいとか、
金持ちだとか、
何一つ不自由のないところから、
生まれる悪、
それが権力の本質だ。

まぁ、日本人には、
必要以上に内部の悪を隠す文化があるしな。

いいかい、真の男とは権力は必要とせず、
権力にすりよらない姿勢を持つことだ。

便利なものには徹底的に逆らえ。

便利の裏にはどれだけのトラブル、
犠牲があるんだい、

そっちに目を向けろよ。
その不合理、不便なことに向かっていけ。


by. 桜井章一氏

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