■賢い身体 バカな身体 -講談社-
自然から恵まれると、人からも恵まれるんだと思います。生まれたときの恵みをずっと保っていけばいいわけです。人生は思い通りにならないから楽しい
冗談ではなくて、
自然から恵まれると、
人からも恵まれるんだと思います。
自然に入って行くと、
動物が逃げないでこちらに寄ってくることがけっこうあるんですよ。
魚でも鳥でもけっこう話ができるものなんですよ。
自然を中心に生活していると、
時計もいらなくなってきます。
by. 桜井章一氏
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なくても時間はわかる。
人工的なものがどんどん必要なくなってくるんです。
全部、生の言葉と行動で精神文化を伝え、
教えている。
ずっとそうやってきたんです。
要するに人工的なものを残さない。
トーテムポールだって木ですし、
すべてを土に戻すわけです。
by. 桜井章一氏
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それが本当の自然であることを知っているんですね。
自然と生きるということを知っている。
人は本来、
恵みから出発しているんです。
でも、みんな途中から恵みをないがしろにして、
豊かさの追求に向かってしまう。
by. 桜井章一氏
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そうではなくて、
生まれたときの恵みをずっと保っていけばいいわけです。
いまの人は、
自然が100くれるという恵みを、
自然を壊して10くらいしかもらっていないんだと思います。
でもこの恵まれるということを大切に思って、
自然と接したり、
自分の中の自然に気づいていけば、
そこで初めて本当の希望というものが出てくるんじゃないでしょうか。
by. 桜井章一氏
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■「頑張らない」から上手くいく -講談社-
人というのは挫折や失敗を経験すると、
次の一歩がなかなか踏み出せなくなる時があります。
「どうせダメだよ」という思考に囚われた子どもは、
「自分はここまでしかできない」
という壁を勝手に設定してしまいます。
元々持っている力を考えればまだまだやれるのに、
勝手に壁を作ってしまっては伸びるものも伸びません。
自信をなくしている子に「もっとできるんだよ」
ということを気づかせてやるには、
あえて低い壁を設定し、
それをひとつずつクリアしていくようにもっていくのもひとつの手です。
by. 桜井章一氏
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ハイキングで満足している子どもに対して、
「お前はもうちょっと行けるから登山靴を履いて山に登ってこい」
というのは無茶というもので、
それが失敗したら元も子もありませんし、
その失敗が思わぬ事故につながることも考えられます。
最初はハイキングだけで満足していた子どもも、
そういったことを繰り返していけば、
やがて登山靴を履いて山に登りたいと思うようになります。
親や指導者は子どもがそうなる時まで、
じっくり腰を据えて待てばいいのです。
でも待つということは我慢でもあります。
by. 桜井章一氏
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焦らずに子どもを待つことができるか、
我慢できるか、
ちゃんと付き合ってやれるか。
そういった資質が親や指導者には求められているのです。
大人たちはダメな子からこそ多くを学ぶべきなのです。
人の数だけ個性があり、
考え方もあるように、
物事それぞれにふさわしい対応、
対処というものがあります。
by. 桜井章一氏
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そこに明確な答えなどありません。
人間は悩み、
苦しみながらその都度最善の対応、
対処の方法を選択していくべきなのです。
成長するのは子どもたちではありません。
そうやって大人も成長していくことができます。
親や教師、
指導者が子どもたちとともに日々変化し、
成長していくことが一番大切なのだと思います。
by. 桜井章一氏
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根気のなさや飽きっぽさがそうさせているのであれば、
その子には根気強く物事を続けていくことの大切さ、
尊さを教えてあげればいいと思います。
問題なのは長続きしないことの理由が
「思い通りにならないから」
という場合です。
心が折れてしまって再び挑戦しようという気持ちも起きなくなる。
大人でも自分の思い通りにならないとやる気をなくしたり、
諦めてしまったり、
投げ出したりしてしまう人がたくさんいます。
by. 桜井章一氏
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人生を長いスパンで捉えれば、
思い通りにならないことのほうが圧倒的に多いともいえます。
親というのは子どもの歩む道に階段を作りたがるものです。
自分の歩んできた階段と似たようなものだったり、
あるいはより高みを目指すための階段だったり。
しかし、人生は階段を上ることもあれば下りることもある。
by. 桜井章一氏
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場合によっては何段も下りて、
また一から始めなければならない時もあるでしょう。
ということは、
階段を下りるということは負けでもなければ、
逃げることでもない。
階段を下りるということをマイナスと捉える必要はまったくないのです。
私は「人生は思い通りにいかないから楽しい」
と思って生きてきました。
by. 桜井章一氏
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「おっ、またきやがったな」と思い、
その障害をどうやって克服するか、
そこに楽しみを感じながら生きてきました。
わざと階段を下っていくこともしばしばやりました。
行き詰まったら別の道を探せばいい。
探すのに疲れたちょっと休んで気分転換することも必要です。
by. 桜井章一氏
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柔軟な思考があれば物事を途中で投げ出したり、
諦めたりすることも少なくなっていくはずです。
心が簡単に折れてしまうこともなくなっていくはずです。
「人生は思い通りにならないから楽しい」。
家庭が「個」を教える場所であるとするならば、
学校は集団の中で「公」を教える場所であると言えます。
by. 桜井章一氏
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「公」というのはとても色彩が豊かです。
人間が30人いればそこには30の色合いがあります。
学問を教えることももちろん大切ですが、
そんな豊かな彩りを子どもたちに認識させながら、
「道は一本じゃないんだよ」
と教えてやるのも教師の大切な役目なのではないでしょうか。
「トラブルがあったらそこに積極的に関与し、
解決の方向に導いていきなさい」
ということを意味しています。
by. 桜井章一氏
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