麻雀で負けることは、私にとって死ぬほど恥ずかしいことだった。修羅場とは命が懸かった切迫した状況のことを言う。いつでもどこでも誰とでも対等の立場でいたかった

■修羅場が人を磨く -宝島社-

麻雀で負けることは、私にとって死ぬほど恥ずかしいことだった。修羅場とは命が懸かった切迫した状況のことを言う。いつでもどこでも誰とでも対等の立場でいたかった

「失った時に初めて気付く」
と言ったりするが、
人間誰しも悪い時にこそ、
いい時のことを思い出す。

そしてその時にハッと気付き、
それが学びとなっていく。

失ってみないと気付けない人間は愚かと言えば愚かである。

だが、失って初めてありがたさに気付く。
人生にはそんなことがたくさんある。


by. 桜井章一氏

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「多くの金を積まれたから」とか
「誰かに借りを作ったからその借りを返すために」
といった理由で代打ちを引き受けたことは、
引退するまでの間、
一度もなかった。

金や脅しによって動くのは、
私の生きざまに反することだった。

だからそのラインだけは崩したくなかった。

ただ、義理、人情で動いたことはあったかもしれない。


by. 桜井章一氏

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代打ちを始めた頃は、
とにかく強い相手と麻雀が打てることに喜びを感じていた。

代打ち晩期(引退を考え始めた頃)
は気の進ない戦いも確かにあったが、
当初は化け物退治の感覚が強かった。

麻雀で負けることは、
私にとって死ぬほど恥ずかしいことだった。

だから絶対に負けられない。
勝負はどっちに転ぶか分からない。


by. 桜井章一氏

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代打ちをしていた頃は、
その不安と期待の狭間でバランスをとりながら修羅場をくぐり抜けていた。

「俺は絶対に負けない」。

そんな自信を持っている奴しかその場には出てこない。

修羅場とは命が懸かった切迫した状況のことを言う。


by. 桜井章一氏

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しかし、切羽詰まった状況でただやみくもに脱出法や突破口を探そうとするのは、
自らを窮地へと追い込むだけである。

修羅場に巻き込まれたら、
まずはその状況を俯瞰して眺めることが大切だ。

決してパニックになってはいけない。

全体が見えなければ、
突破口も解決策も見つからないのだ。


by. 桜井章一氏

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私が土中に埋められていた時の気持ちを感覚的にいうと
「フワッとした」感じだった。

これは開き直った時の心境ともちょっと違う。

そこにいるのだけれど、
そこにいないような感覚。

埋められている自分をもうひとりの自分が上から見ているような感覚、
とでもいえばいいだろうか。


by. 桜井章一氏

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自分は埋められて身動きが取れなくなっているのだが、
もうひとりの自分は自由な状態でそれを眺めている。

だからジタバタする必要もない。

この時のように、
私の場合は生死の懸かったような状況になると、
もうひとりの自分が必ず現れる。

ひとりの自分はまわりから攻められているが、
もうひとりの自分は何からも攻められていない。


by. 桜井章一氏

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攻められていないから、
まるで第三者が見ているかのような客観的な視点でその状況を眺められる。

攻められている本人だけの感覚であれば、
「そこから何とか逃げよう」とか、
「誤ってみようか」とか、
「挑発してみようか」とか、
いろんな考えが浮かび、
パニック状態になる。

それらを仮に実行したとしても、
全体が見えていないわけだから失敗する確率のほうが圧倒的に高い。

修羅場となった時に客観的な視点を保つには、
まず冷静になることが必要である。


by. 桜井章一氏

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冷静でいるには、
その修羅場よりももっと最悪の状況、
状態を想像するようにするといい。

「生きていて当然」ではなく、
「死んでもおかしくない」
ことが何度もあった。

私は社長の考え方、
生きざまみたいなものに以前から共感を覚えていた。

ただ、私のほうにも条件があった。
それは「サラリーは一切なし」ということ。


by. 桜井章一氏

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社長には人生の勉強をさせてもらう場を提供してもらったのだから、
会社から金銭などはもらえない。

それに給料などで自分の価値を決められるのがいやだった。

いつでもどこでも誰とでも対等の立場でいたかった。

そんな私の生きざまを社会人になったからといって崩したくなかった。


by. 桜井章一氏

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だから私はサラリーは一切もらわなかった。

会社への出勤時間も自由。
その代わり社内の誰よりも働いた。

だから同僚にもすぐに認められ、
重要な仕事なども任せられるようになった。

ただ、老侠客が選んだ人物だけあり、
その人柄は義侠心にあふれていた。


by. 桜井章一氏

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私は社長に「その(麻雀の)賭場に行かせてください」
と懇願した。

それまでの私は頼まれて代打ちをしたことはあっても、
自ら代打ちを志願したことは一度もなかった。

社長は反対したが、
私の熱意に押されたのか最後は結局折れてくれた。

「歯がたたねぇなら埋めるしかないな」
と兄貴分が呟いた。


by. 桜井章一氏

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殺されるかもしれないと思ったが、
それも覚悟の上での勝負だった。

まったく動じない私を見て、
兄貴分が言った。

「生きていたいなら負けろ。
勝ったら殺す」

次の瞬間、金バッチが私の左手親指を思いっきりねじり上げた。


by. 桜井章一氏

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指に激痛が走る。
しかし私の腹は決まっていた。

麻雀に負けるくらいなら死んだほうがましだ。
本気でそう思っていた。

中断しても私のツキは落ちていなかった。
背中にチクリと痛みが走る。

どうやら背中に日本刀の切っ先を突きつけられているようだった。

それにも構わず私は打ち続けた。


by. 桜井章一氏

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