修羅場からも理不尽からも決して逃げてはいけない。瞬間的に決断を下していくことで迷いというものは消えていく。目を開かず、耳を開いて場の空気を感じる

■修羅場が人を磨く -宝島社-

修羅場からも理不尽からも決して逃げてはいけない。瞬間的に決断を下していくことで迷いというものは消えていく。目を開かず、耳を開いて場の空気を感じる

理不尽な相手に対して逃げるでもなく、
避けるでもない。

そういった対応は、
修羅場をくぐり抜ける時の対応と感覚的には似ているところがあるかもしれない。

修羅場の持つ負のエネルギーは相当なものである。

修羅場には解決できないエネルギーや意味の分からないエネルギーが満ちている。


by. 桜井章一氏

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私は修羅場に向かっていくことはしない。
向こうが来るのを自分の場所で待ち受ける。

そして修羅場がやって来たら、
ひょいひょいとかわしていく。

けれども決して逃げはしない。
修羅場からも理不尽からも決して逃げてはいけない。

逃げずに、かといってぶつかることなくフットワークで流すようにかわしていく。


by. 桜井章一氏

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そんな感覚を持てば、
たいていのことは
「どうってことないよ」
と思えるようになる。

その感覚を養っていくには、
やはり場数を踏んでいくしかないのだ。

麻雀を始めたばかりの頃は、
他のビギナーの方々同様、
卓を囲むすべての人が強く見えた。

逆にどんなにレートが上がろうとも、
逃げることなく真っ向からぶつかってくる相手には強さを感じた。


by. 桜井章一氏

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その中でも強さを感じさせる人は、
場の状況、状態といったものがすべて見ている。

だから的を外さないし、
ここだと思った勝機を瞬間的に掴むのもうまい。

瞬間的に決断を下していくことで迷いというものは消えていく。

迷いが消えれば自分だけでなくその場もコントロールすることができるようになり、
勝ちを引き寄せることができるようになる。


by. 桜井章一氏

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しかし、強さにそういった外見的要素はまったく関係ない。

逆に目だけ、
視力だけに頼る人は弱い。

見えないものを見ていくのが麻雀であるのだから、
視覚だけに頼っていては感覚の幅が狭まり、
それでは見えるものも見えてこない。

私は道場生たちによく、
「人の捨てた牌ばかりに目をやるのではなく、自分の捨てた牌をよく見なさい」
と言っている。


by. 桜井章一氏

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■勝負の格言 -宝島SUGOI文庫- どんな勝負でもこの円の感覚を持てるかどうかで差が出ます。 円は真理の形です。 ...

他人の捨てる牌に神経を尖らせ、
ギラギラとした目つきで聴牌を狙うくらいなら、
自分の捨てた牌をふわっとした感覚で眺めているほうが場の流れ、
空気が読めるようになってくる。

だから本当に強い人に、
眼光が鋭かったり、
目を見開いてたりするような人はいない。

ちょっと薄目を開けるかのように、
ふわーんとした感じで麻雀を打っている。

つまり、強い人は視覚に頼らず、
五感を使って麻雀を打っているのだ。


by. 桜井章一氏

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目を開かず、
耳を開いて場の空気を感じる。

それが強さを感じさせる人の特徴なのである。

そうではなく、どこかふわっとした感覚で修羅場を捉えられる人は、
力まずしてその場から抜け出せるものなのだ。

けれども、本当の修羅場だったら泣いている暇などないはずだ。


by. 桜井章一氏

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本当の「痛み」には涙はおろか、
声すらも出ないように、
本当の修羅場に巻き込まれていたら泣いている余裕などどこにもない。

考え方があまりにネガティブになると、
次の一歩を踏み出せなくなってしまう。

辛かったり、苦しかったりする時は、
自分以外にも世界には困っている人たちがたくさんいるという事実に目をやればいい。

今の苦しさに囚われず、
外の修羅場、
悲劇といったものに目を転じれば、
心を転換させることができる。


by. 桜井章一氏

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■勝負の格言 -宝島SUGOI文庫- 自運が作り出す流れは粘りがあって力強い。 それに相対する時は、 このよう...

「自分は結構いい思いをしてきたではないか」
と考えをシフトできれば、
辛さ、苦しさは少しずつでも収まっていくはずだ。

愛の裏側には
「憎しみ」がある。

愛が大きければ大きいほど憎しみも比例して大きくなっていく。

愛というものを信じすぎると、
愛はどんどん肥大化する。


by. 桜井章一氏

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修羅場を修羅場たらしめるのは、
「何かを信じすぎること」
も大きな要因のひとつなのである。

修羅場に強い人というのは、
修羅場を修羅場と感じない。


by. 桜井章一氏

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なぜなら、そういった人はあらゆる物事に対し、
いつも「疑い」を持っているから何かを信じすぎるということもない。

何事に対しても
「半分信じて半分疑う」
くらいの気持ちを持っていると、
修羅場を避けられるし、
たとえ修羅場になったとしてもダメージを最小限で抑えることができる。

疑うからこそ信じられるようになるのであって、
疑いもなく信じるのは裏切られた時の反動も大きく、
修羅場と感じない人、
修羅場に強い人というのは、
半分信じて半分疑う感覚を持っているものなのだ。


by. 桜井章一氏

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■勝負の格言 -宝島SUGOI文庫- 緊迫感を勝負の時に出せる人は、 日常での現場感覚に優れた人です。 現場感...

「譲る」という精神は人間関係においてとても大切なものだが、
「得る」ことに重点を置く現代人は、
この譲りの精神が薄れてきてしまっているようだ。

何かことが起こった時、
お互いの中に被害者意識と加害者意識の両方を併せ持っていれば、
自体はそんなに悪い方向へは向かっていかない。

被害者意識の深層には、
「私が正しい」「私は間違っていない」
という独りよがりな思い込みがある。

我々が生きる現代社会は能力主義である。


by. 桜井章一氏

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能力を評価されるためには正解を出し続けなければならず、
間違いは犯せない。

トラブルになりそうな時、
「自分が加害者なのかな?」
とちょっと思うだけで事態の悪化は防げる。

知識を得る、
富を得る、
名誉を得る。

今の世の中では得ることがいいことだとされ、
人々は得ることばかりを求めている。


by. 桜井章一氏

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得たものは失いたくない。

そんな思考に囚われ、
心は常に不安な状態である。

だから束の間の安心を求め、
確証や保証といったものにすがりつく。

心が不安な状態のままでいると、
今度は被害妄想が強くなる。


by. 桜井章一氏

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