■修羅場が人を磨く -宝島社-
時代が「よし」とするものこそ疑ってかかる、「よい顔」を装ったものほど警戒する。しかし、戦後の修羅場と似たような状況が、そう遠くない未来に必ずやってくると私は考えている
国土の狭い日本は、
そうやって経済的な広がりを求め、
21世紀となった今もその思考から抜けられずにいる。
今の日本は高度成長期にはなかったさまざまな問題が山積している。
そしてそのほとんどが
「大きくなりすぎた」
ゆえの問題である。
人々の中にある「向上心」も、
みなさんはいいものだと思っているかもしれない。
by. 桜井章一氏
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けれどもこの向上心も広がりを求める思考の一部にすぎない。
「小さい国なりにどうにかやっていこう」
と考えれば多少救いもあるのだが、
今までの日本は
「小さい国だけど経済だけは大きくしよう」
とあれもこれも大きくすることに注力してきた。
そして大きくなりすぎた反動に今襲われている。
今までの日本はメタボな体質になることを
「成長」や「発展」という言葉にすり替え、
それをよしとしてやってきた。
by. 桜井章一氏
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そのお陰で今や日本はいろんな病気に蝕まれている。
病気を一気に治す特効薬も治療もありはしない。
欲を抑え、地道に痩せる努力をする他ない。
身の丈に合っていない生き方を選んだ結果、
修羅場を招いたのであれば、
それは自業自得といえよう。
by. 桜井章一氏
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これは日本人すべてに通じて言えることである。
「いい暮らしをしたい」という考えは、
世界的に見れば一部の人たちだけに通じるものだ。
いい暮らしという概念は、
人類の長い歴史から見ればごく最近生まれた考え方なのだ。
そうやっていい暮らしを求めてきたのが日本であり、
その結果、社会だけでなく、
人々の精神も肉体も頭脳もメタボになってしまった。
by. 桜井章一氏
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そしてブクブクと太らされ、
気づいたら自分ひとりの力では立ち上げれないような体にされてしまった。
それが今の日本の社会なのだ。
構造的に不安定なものにならざるを得ないグローバル経済は、
必然的に修羅場を絶えず孕む。
その荒波をしのぐには何よりもまず、
身軽になることが必要である。
by. 桜井章一氏
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社会も、我々も、
身の丈に合った生き方を模索していく他に道はないのである。
修羅場の状況を確認する意味でも、
一概に動き回ることが悪いことだとは言えない。
けれども出鱈目に動き回るのは、
修羅場をより悪化させるだけで何の解決にもならない。
動き回るのであれば全体がどうなっているのかが分かるようなルートで動く必要がある。
by. 桜井章一氏
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また、そうやって動く中で修羅場からいったん外に出て、
全体を見渡したり、
あるいは修羅場とはまったく関係のないところに目を転じたりするのも大切なことである。
外の世界に目を転じることで、
そこからヒントや救いといったものが得られる。
しかし、その苦しさも軽いレベルであれば、
楽しいことに目を転じるだけでその苦しさや困難を薄めていくことができるのだ。
過去の歴史をひもとき、
それらを鑑みることから得られる知恵は、
決して無駄にはならない。
by. 桜井章一氏
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人間は同じことを何度も繰り返す生き物である。
反省はしているだろうが、
「喉元過ぎれば」
で時が経てば都合の悪いことは忘れてしまう。
つまり過去を見れば、
今起こっている問題の解決法が得られることもある。
表面上は違っても、
根本的には一緒ということがたくさん存在するのである。
by. 桜井章一氏
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「よし」とされるものを追求してきた結果、
「今」という時代に至っている。
けれども今の世の中を「よし」
と言いきれるかというと、
多くの人が「否」と答えるに違いない。
「よし」とされるものを追い求め「悪し」
になってしまっているのであれば、
「よし」に対して疑問を持つ必要がある。
ただ、世間というのは「悪し」
にばかり疑いを抱く傾向があり、
「よし」のほうはまったくのノーマークである。
by. 桜井章一氏
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時代が「よし」とするものこそ疑ってかかる、
「よい顔」を装ったものほど警戒する。
そういった備えが、
修羅場の本質を我々に教えてくれるのだ。
今考えると、戦中、
戦後の日本はまさに社会全体が修羅場だったと思う。
しかし、戦後の修羅場と似たような状況が、
そう遠くない未来に必ずやってくると私は考えている。
by. 桜井章一氏
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簡単言えば、日本から食料が無くなるということである。
今、すでに世界的な観点から見れば食料は不足しつつある。
その食糧不足の波は、
遅かれ早かれ日本をも巻き込むだろう。
日本には恵まれた水と栄養に富んだ土がある。
世界はまずここを狙ってくるだろう。
by. 桜井章一氏
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水と土が奪われれば、
日本の生態系にも大きな狂いが生じるだろう。
しかしその中で1日に約100種の生物種が死滅しているとも聞く。
しかし、「いつまでも変わらすあるもの」
だと思い込んでいるのが人間の浅はかさである。
生物に寿命というものがあるように、
この世に存在するすべてのものはいつかは無くなる運命にある。
by. 桜井章一氏
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だからこそ、今という時代を、
今この瞬間を大切にしていかなければならないのだ。
私が感じている、
近い将来やってくるこの修羅場を、
多くの人たちが察知できていない。
時代はやがてエネルギーを巡る争いから、
食料を巡る争いへと変わっていくだろう。
金儲けを企む巨大な力は、
もうすでにそちらの方向へシフトしているはずだ。
by. 桜井章一氏
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エネルギーよりも、
食料のほうが人間の根幹に関わる問題である。
そうなれば、その争いは今のエネルギーを巡る争いよりも、
もっと酷いものとなる。
近い将来必ずやってくる、
食料を巡る修羅場。
我々はその時に備えて今何ができるのか、
そのことをもっと真剣に考えてもいいのではないだろうか。
by. 桜井章一氏
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