■雀鬼と陽明 ~桜井章一に学ぶ心の鍛え方~ -三五館-
勝った負けたの数を求めず、卓上に絵を描く。麻雀牌は自然である。自然や牌も神様である。自然と同化し、調和をはかれるようになれば、麻雀も本物になる
「麻雀も芸術と一緒で感情で看るんですよ。
絵だって音楽だって書くときは、
考えて理性なんかじゃ看ていない。
感情で書いているはずなんですよ」
「(配牌の段階で、
牌を見てある美しさを感じ、
ツモによってその美しさを完成させるということですか?)
ええ、だから汚いと感じたら面子が揃いそうなところでも、
切っていっちゃう。
数で考えているとそれが出来ないんです」
by. 桜井章一氏
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「勝った負けたの数を求めず、
卓上に絵を描く」
「よりよい麻雀を打つため、
結果より経過に納得感を持ち、
互いにそこに内容を求める」
「麻雀牌は自然である。
自然や牌も神様である」
by. 桜井章一氏
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「現象の背後に何も探してはならない。
現象自体が学説(本質)なのだ」
by. ゲーテ氏
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「自然や麻雀牌を人間の欲望が犯すなんてとんでもないことだ。
まるで神に逆らうがごときことである」
「麻雀というのは自然そのものなんだよ。
自分という人間が打っているうちはたいしたことはない。
自然と同化し、
調和をはかれるようになれば、
麻雀も本物になる」
「権力、暴力、金銭力、
いろいろな力を持った強い奴が世の中にはいる。
そいつらと自力で戦って勝つことの喜び、
それが僕に麻雀を打たせたんだ」
by. 桜井章一氏
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「朝起きるたびに、
昨日より強くなっているという実感がありました」
「周りの人びとに迷惑をかけないこと、
麻雀に限らず普段の生活の中においても、
私より公を優先させる心を持ち、
人間性を磨くことが、
おのずと麻雀に生きてくるのだ。
ただ勝てばよいといった気持ちでは、
ずるさやテクニックに陥り、
本当の雀力は育たない」
by. 桜井章一氏
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「良知を致すこと、
<誠>を尽くすこととは、
『決して自分に嘘をつかないこと』といえる。
…(中略)…では、
嘘をつくと、
どうしてよくないのか。
嘘をつくと、
本音と建前の分離が始まる。
外の世界と内なる心の世界の不一致が生じる。
言葉と心はトータルであることが、
本当の人間のあり方なのだ。
嘘をつくということは、
言葉と心に、
さらには言葉と行動に分離をもたらす。
人間に裏表があると、
やがて無力感にとらわれ、
生きる喜びが味わえなくなってしまうのである。
…(中略)…もし、
心と言葉、
心と身体に分離がなくなれば、
心の健康が回復し、
パワーが強くなる。
自己分裂がないから、
後ろめたさがなくなり、
心が葛藤や矛盾にエネルギーを浪費することがなくなる。
さらには、心がそのままストレートに行動につながる」
by. 林田明大氏
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「ところが現代は幼児期のうちから、
子どもに嘘をつく教育をしているのです。
親とか先生とかが建前の方ばかり教えて、
内的な真実ということに注意を向けようとしないものですから、
<ごめんなさい>と言わせればすむと思っているお母さんが多いのです。
<ごめんなさい>と言わせることで、
子どもを嘘つきにしているのです。
<ごめんなさい>と建前で子どもが謝るとき、
心の中では反抗していてもかまわないのです。」
by. 林田明大氏
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「そうすると、
平気で嘘をつくことのできる子どもであればあるほど、
一見素直そうな表情をして、
いかにも悪かったような姿で<ごめんなさい>
と言える子どもになってしまいます。
真実というものがだいじだと思う子どもは、
そのときに絶対<ごめんなさい>とは言わないで、
最後まで反抗します。
親は、根性がねじれていると思って、
お仕置きをしてでも<ごめんなさい>と言わせます。
そして<ごめんなさい>と言うと、
安心して許してやるのです。」
by. 林田明大氏
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「ですから、今の人間は嘘つきになれ、
と親から教えられていることになります。
そういう人間は、
本音と建前を使い分けることが平気でできると同時に、
外にあるものと内にあるものとがぴったり重ならなくても、
平気で生活できるようになります。
それで本物と偽物の区別もつかなくなるのです。
最終的には、
相手が本物の心を持った人間か偽物の心を持った人間か、
を見ることができなくなると同時に、
自分も本物の心を持っているのか偽物の心を持っているのか、
見えなくなってしまいます。」
by. 林田明大氏
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「そういう生活(相手を騙せたことに快感を覚える)を積み重ねていきますと、
ボロさえ出さなければ、
何をやってもいい、
という人生を送るようになります。
自分の真実と自分の虚偽が見えてこなくなるのです」
by. 林田明大氏
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「相手の暴力にも屈しない、
でなければ麻雀は勝てない」
「彼等がそれ打つ(注射)と、
普通の奴よりすごく勇気もあるし、
度胸のある麻雀を打ってくるわけですよ。
それをシラフで私たちは打たなきゃいけなかったわけです。
普通だと、そろそろ弱くなるなって奴が、
体力的にも精神的にも薬のせいで弱くならないんだからね。」
by. 桜井章一氏
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(「役満の中で、一番強いの何よ」)
「国士じゃないの。
天下無双のっ、
ていうじゃないですか」
「現役時代には、
内に秘められてきた凄みが、
引退してからというもの、
表に出るようになってしまったようだ」
「小さい頃に、お金が欲しいなと思うと、
自然に悪い考えが起きていたんですよ。
ただで映画館に入りたいなとか、
泥棒したいなとか、
お金を得るために親をごまかしたりしてたわけです。
小学校高学年位のときに、
もうそんなことは止めようって、
思ったわけです。
そう決心すると、
私の場合は絶対やらないんですね。
そのときにお金って汚いんじゃないかなって、
(その強烈な思いを、自分の心に、深層意識に)
植えつけてしまったんだと思うんです。
それで、仕事をやってお金をもらうのが、
すごく情けないような気がしてならなかったんですね。」
by. 桜井章一氏
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「組織に入れば自然に奴隷化されてゆく。
それが人間としての、
大人の我慢だ、
などというのは言い訳にすぎないし、
真の我慢なんかじゃない。
自分に対する裏切りなんだ」
「殺す」というのには二通りがある。
ヒラッコという麻雀の場合は、
打ち方の中で、
相手をズブズブと土の中へ陥れるようなところへ持っていく。
そのためには、
あせりや迷いや弱気、
イライラといった人間の一番悪い気持ちを相手に起こさせるのだ。
そうすれば相手は負けていく。
by. 桜井章一氏
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もうひとつは、
一晩で一〇〇〇〇万円動くという場があるとする。
一晩打って、
一〇〇〇〇万円のところを倍の二〇〇〇万円稼いであげるというのも
「殺し」である。
五〇〇万円はあったであろう日当も、
宿泊先のホテルの金庫に置いたままであった。
桜井は、「土に還った」のだ。
by. 桜井章一氏
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桜井の好きな言葉の一つ、
「凧は天高く昇り、夕暮れに土に還る」
とは、そんな欲を律することの大切さを述べた言葉なのである。
とくに代打ちを引き受けた場合など、
相手の背格好、趣味、性格にいたるまで、
事前に徹底的に調査したのである。
そして、お金の力、
権力、暴力に負けない、
ということも大切な要素であった。
つまり、感情(欲)のコントロールや正義感も不可欠な要素だった。
by. 桜井章一氏
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「正義感がすごく強すぎて、
だから闘争力もすごくあったのじゃないかと思う。
ただ、自分が善人だからというんじゃなく、
もともと悪党だったから、
小学校のときさんざん悪さをしたんで、
その後少しでもよくなろうと、
善を求めようと思ってるんです。
一つ一つ自分の悪習を刈り取って行かないと……、
自分だけじゃなく回りの人の悪習もできるだけ刈り取ってあげないといけないと思うんです」
「麻雀には、人間の意志とは関係なく、
<麻雀の流れ>というものがある。
その<流れ>を見えなくしているのは人間の<欲>だ」
「人の持つ本性は基本的に、
非常に弱いものである。
そして、その弱い部分を、
ずるがしこさや自分の都合のよい思考によって、
補ってしまいがちである。
そうして、麻雀そのものの持つ流れから遠ざかっていく。
流れを少しでも知るためには、
いつも<麻雀の本質を見きわめる>努力をし、
悪しき思考(弱さ・迷い・目先の利・打算・利己的・ずるさ)
をできるだけ排除することである」
by. 桜井章一氏
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