ツイてる、ツイてないじゃなくて、麻雀からテーマを与えられてるんですよ。今度は、このテーマに取り組んでごらんとね

■雀鬼と陽明 ~桜井章一に学ぶ心の鍛え方~ -三五館-

ツイてる、ツイてないじゃなくて、麻雀からテーマを与えられてるんですよ。今度は、このテーマに取り組んでごらんとね

<その人が泣いてるんじゃない。

こいつはいいだろうけど、
その裏に泣いてる人がいっぱいいるんじゃないか。

そいつは子どもの頃の俺じゃないか、
うちのお袋じゃないか。

なーんだ、俺は俺をいじめてるんだ……。

その道楽するオヤジは自業自得であり、
ざまあみろだとしても、
そのオヤジの道楽の裏に、
泣いている人がいっぱいいるわけだ。

それを知ってて、
敵討ちみたいなつもりで麻雀に入り込んだのに、
自分も同じことをやってたわけだ>


by. 桜井章一氏

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「もし、私がここでミスをしでかしたとしますね。

ミスを犯したら、
自分が損すればいいとか、
罰を受ければいいというのは、
本当の罰ではない。

もっと他に迷惑をかけているんだということを考えなくてはいけない。

このイスを壊したら、
このお金を弁償すれば罰が消えたんだということではないということなんです。」


by. 桜井章一氏

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「ここ(雀鬼会の麻雀大会)で四人が麻雀を打ってて、
この人がハコテン(持ち点がなくなること)になる、
いわゆるうんと麻雀したらそれでいいんじゃないか。

ですが、この人の埋め合わせをこのつぎに麻雀やる人が埋めなきゃならないわけです。

それほど自分のミスだとか情けなさっていうのは、
自分だけの問題じゃないんだよ、
それを必ず誰かが埋めなきゃならないんです。

(筆者注 : ハコテンになるということは、
やってはいけないミスをいくつもしでかしているということである。

その男がハコテンになったぶんだけ、
三人のうちの誰かのポイントをアップさせてしまったというわけだ。

努力することもなく誰かのミスによってポイント・アップした人とつぎに戦わなければならない人は、
苦戦を強いられるのである。

つまり、ハコテンになるということは、
ハコテンになるまで頑張ったんだからいいじゃないですか、
というのではなく、
誰かに余計な点数を与えてしまっているのであり、
つぎに戦う誰かにしわ寄せがきてしまっているのである)」


by. 桜井章一氏

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「でも、普通は、
いいじゃない俺が稼いできたお金だから、
何に使おうが。

俺が損したんだから、
俺が嫌な思いをしてるんだからそれでいいじゃない。

そういう発想になるから、
裏の部分が分からないわけです。

男の道楽って、
美学みたいなこといってますけど、
とんでもないものです。

自分一人で納得してるだけで、
その裏には納得できない人がいっぱいいるわけですよ。

いいかげんなことは、
その場かぎりのことじゃなくて、
その一〇倍も二〇倍も影響しているというわけです」


by. 桜井章一氏

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Aという男がマンズのチンイツに走っていた。
桜井が、そこへリーチをかけた。

Oさんは、
桜井に対してピンズ、ソーズの無筋をバラ打ちしてきた。

そうしたOさんの行為は、
最初のうちは、
桜井に対する意地のようにも思えたのだが、
そうではなかった。

なんと、チンイツを狙っているAが、
Oさんの捨てたピンズ、
ソーズをたよりに麻雀を打ってくるではないか。


by. 桜井章一氏

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■運に選ばれる人 選ばれない人 -東洋経済新聞社- 考え方や心構えの違いで、運がやってくる人とそうでない人に分かれるだけです。自分の運...

Oさんのは、「道を開けてやる」
麻雀なのだ。

Oさんの麻雀は、
チンイツにマンズを鳴かすなどという甘い協力ではない、
「道を開けてやる」
というリスクを背負ったのである。

当然のごとくOさんの麻雀には、
「犠打」もあった。

自分を殺してでも犠牲になる、
という麻雀を打った。


by. 桜井章一氏

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これも当然のことだが、
どう頑張ってもラス目になる。

それでもOさんの目は決して死んでいないし、
諦めてもいない。

ちょっとでもこちらが気をゆるめれば、
強者を、桜井を、殺ってやる、
という気を感じるのだ。

どんなに状況が悪くなってもOさんは、
決して死なないし、
諦めないし、投げない。


by. 桜井章一氏

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Oさんは、ヒット・マンたちのリーダーとしての仕事や日常生活においても、
関係筋の誰かのトラブルの尻拭い、
後始末をするという生き方を貫いていた。

犠牲的精神の固まり、
それがOさんだった。

そんな修羅の道を生きている人であればなおさらのこと、
麻雀の打ち筋にそれが表れてくるものなのである。

だが、Oさんにかぎっていえば、
それを表情に見せなかった。

それどころか、
Oさんという男は、
麻雀を打っているときに、
桜井の凄さを感じれば感じるほど、
仏のような表情になっていくのである。


by. 桜井章一氏

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■運に選ばれる人 選ばれない人 -東洋経済新聞社- 生きていくのは闘いです。真の闘いというのは、ただ相手を攻撃したり勝つことではありま...

桜井は、対局中、
何度か仏と麻雀を打っているかのような錯覚に陥った。

桜井には、
Oさんのそんな仏のような顔が、
信じられなかった。

(Oさん曰く)
「漢(おとこ)はね、闘犬と同じだよ。
どれだけ黙って耐えられるかが強さだ。
ワンと吠えたら終わりなんだよ」

<この人に対して手かげんすることは、
無礼にあたる>

そう思うと桜井は、
和了りつづける。


by. 桜井章一氏

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Oさんはといえば、
弱者を助けてラスばかり引いている。

その日は、Oさんが千点で和了った局をのぞして、
ほとんど全局を桜井がトップで和了りつづけた。

(Oさん曰く)
「ありがとう。楽しかったよ」

まさしく仏のような至上の微笑みだった。


by. 桜井章一氏

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桜井は、
その時にOさんが見せてくれた笑みを今でも忘れない。

「あんなに優しくて強い微笑みを見たのは、
生まれてこの方一度もなかった。

ラスばかり引いているのに、
あんなに麻雀が強い人はいなかった」

それがOさんとの最後の出会いであり、
麻雀だった。

Oさんの顔に見られた神々しさは、
私的な自己を捨て去ることはもちろんのこと、
死を決別した境地から生じたものであった。


by. 桜井章一氏

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■「育てない」から上手くいく -講談社- その方の人生の辿り方が体全体から伝わってくるからです。それに比べて果たして、自分は年齢と呼べ...

「僕は人から修行は辛かったでしょうと聞かれることがありますが、
僕なんか辛いことが大好きなんです。

人間は辛さがあって初めて壁を乗り越えることができるんです。

それを逃げてるようじゃ進歩なんかない。

辛いことと楽しいことを分けて考えちゃいけないんです」


by. 桜井章一氏

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「天がある人物に重大な任務を与えようとする場合には、
必ずまずその精神を苦しめ、
その筋骨を疲れさせ、
肉体を飢えさせ、
生活を窮乏させ、
その行動を、
することなすことを失敗ばかりさせて、
そのしようとする意図と食い違うようにさせるものだ。

これは、天がその人の心を発憤させ、
性格を辛抱強くさせ、
こうして今までにできなかったこともできるようにするための<貴い試練>である」


by. 孟子

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「配牌で、一九牌(老頭牌)だけが集まって来ると、
たいていの人はツイてないという。

人間が勝手にツイてないと思ってるだけなのです。

人は、自分の思ったとおりになることをツイてるというわけですね。

ツイてる、ツイてないじゃなくて、
麻雀からテーマを与えられてるんですよ。

今度は、このテーマに取り組んでごらんとね」


by. 桜井章一氏

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