どんな場にも合わせるのがプロであり、与えられた場で戦うのがプロだ。流れというか、綾というものを知り感じ取ることが、麻雀を戦ううえで最も大切だ

■雀鬼と陽明 ~桜井章一に学ぶ心の鍛え方~ -三五館-

どんな場にも合わせるのがプロであり、与えられた場で戦うのがプロだ。流れというか、綾というものを知り感じ取ることが、麻雀を戦ううえで最も大切だ

が、そうこうするうちになぜか和了れなくなり、
信じられないことだが、
形勢が逆転した。

幸一は焦り始めていた。

しばらくして、
桜井には事情が飲み込めた。

三方の襖や障子の透き間から桜井や幸一の手牌が覗かれていたのである。


by. 桜井章一氏

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見番は、イヤホンを耳にしていて、
覗き見している男たちから情報を集め、
対戦中の二人の男たちに身ぶり手ぶりでサインを送って教えていたのだった。

桜井には、自分の土俵などなく、
常に相手の土俵で戦ってきた。

<どんな場にも合わせるのがプロであり、
与えられた場で戦うのがプロだ>

人の土俵は、
ルールが違い、
レート(値段)も違い、
環境も違ってさまざまな仕掛けがあるのが普通だった。


by. 桜井章一氏

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場によっては、
一晩に何千万、
何億円も動くのである。

ヤクザたちは、
確実に勝つためなら、
どんな大掛かりなトリックもやってのけた。

相手の土俵に登ったとき、
桜井は一体何が仕組まれているのかを、
まずは見きわめるのだ。

卓についてから時間にして、
半荘一回かかるか、
かからないかのわずか数十分のうちに相手のトリックを見破るのである。


by. 桜井章一氏

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「私と勝負する前に、
その男が前回にどういう人と勝負してきたかも分かるんです。

今日勝負している人間が、
前日にAという人物と勝負してきたことが分かるわけです。

綾を引きずってくるんですよ。
綾を縁といいかえてもいいでしょう。

Aさんが、今つきあっている彼女の前に、
きっとこういう女性とつきあっていただろうなと、
分かるんですよ。」


by. 桜井章一氏

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「調べるんじゃなく、
探れば、感じようとすれば(直感的に)分かるんです。

みんなは、佐々木が出てきたからもう大丈夫だっていうんですね。

ところが私は、
佐々木が打たれそうな気がするっていったんですよ。

なぜかっていえば、
佐々木が打たれるんじゃなく、
佐々木の前のピッチャーの綾を引きずるわけです。」


by. 桜井章一氏

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「彼が悪い綾を作ってしまっているんですよ。

それを引きずってるから、
佐々木が打たれるのが分かるんですよ。

麻雀でいえば、
一局前に作ったことが原因で起こることもあり、
一時間前に起こした原因が、
因果となってそこに現れるということです。

あるいは、
ほんのちょっと前のことが原因で、
そういう悪いことが起きることもあるのです。」


by. 桜井章一氏

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「みなさんは、今起こっていることで失敗したからって思うわけですよ。

失敗ももちろん、
物事を悪い結果にみちびきますけど、
その場は、麻雀をちゃんと打っていても悪い結果が出ることがあるんです。

なぜかというと、
そのときの影響じゃない、
その前の影響もあるし、
自分が忘れてしまったような昔のことの影響も引きずっているということなんです。

そこまで皆考えないから……。」


by. 桜井章一氏

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「だから麻雀をやってて、
私のあとに座ったら勝てますよ、
私が耕していますから。

私が自分が座ったところをきちんと整地しているんです。

そこへ、実力のない人が座ればその整地したものを壊していくだけになります。

影響力が残っていますから、
しばらくは持ちますが、
すぐにガタガタになっていくわけです。」


by. 桜井章一氏

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「逆に、実力のない人のあとに、
私が座ったとします。

最初に、整地から入らないといけないんで、
これはもう大変なんです。

自分の麻雀どころじゃないんです。

前に座っていた実力のない人の因果をまず整地してから、
地ならしが終わってからやっと自分の麻雀に入れるんですよ。」


by. 桜井章一氏

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「リズムも含まれるわけです。

実力のない人の麻雀は、
リズムなんてものじゃないですし、
デコボコになってるんです。

手順は汚いし、
空気も汚染されてるで、
全部がだめになってるんです。

空気、リズム、流れ、地面も治さなければいけないわで大変になるんです」


by. 桜井章一氏

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「流れというか、
綾というものを知り感じ取ることが、
麻雀を戦ううえで最も大切だ」

「普通の人間は、
自分の知識で、
知恵で、
根性でどうにかしようと思うわけですよ。

そうじゃないんです。

牌(筆者注 : 麻雀の本質・理)に逆らわないで、
振り込めって牌がおっしゃってるなら振り込めばいいし、
そこを振り込むの止めよう、
と思うからいけないわけです。

牌が和了れっていったら、
和了ればよいわけです。」


by. 桜井章一氏

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「私は、牌は神様だ、
牌様だと思っているわけです。

それをたかだか人間の桜井章一ごときが操縦しようなんて気持ちが、
一〇〇年早いよって思ってるわけです。

ところが普通の人間というのは、
牌を操縦してやろうと思ってるわけです。

自然を人間が動かせないのと同じように、
牌も動かせないんですよ。」


by. 桜井章一氏

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「私は、牌の奴隷にもなっていないし、
一緒になってるんですよ。

合一してるんですよ。

現役のときは、
いつも合一だったんです。

ちょっとした考え方がきっかけなんですね。」


by. 桜井章一氏

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「ですが、(現役引退うぃて約一〇年後の)今はそうじゃないんです。

麻雀の牌握ってるときにも、
他のこと考えてたり、
麻雀が訴えてることを聞こうとしなくなってるんですね」

「車を見たとき、
ほとんどの人は、
車って走るもんだよっていうんですね。

私は、いや車は止まるもんだよっていい方するんです。


by. 桜井章一氏

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「そうすると、え、車って止まってたら車じゃないじゃないですか、
っていってきますよね。

そこで私はいうんですが、
走ること、止まることの両方があって車じゃないか、と。

そこに合一があるんですね。

私には、何をとらえても一つ一つにそういう考え方が自然にあるんですね。

ですが、物事に対して、
みんなは走ることだけをいうだけですから、
私はついつい反対側をいわざるをえなくなるだけなんですよ。

本当は、両方なんですよ。
両方で一つなんですよ」


by. 桜井章一氏

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