■運を支配する -幻冬舎新書-
それゆえ思い込みというものは、
思いがどんどん重なっていくという印象がある。
感覚で何かを捉えることは軽やかで執着というものがないが、
「かんがえることは重たい」ものなのだ。
by. 桜井章一氏
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人のさまざまな考えの中でもっとも重たいのが、
思い込みである。
思い込みの強い人は、
自分の考えを強く思い込むことで、
他人との間にさまざまな軋轢が生じたり、
衝突する確率が高くなる。
by. 桜井章一氏
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思い込みの強い人と一緒に仕事をしたり、
生活をともにするのはけっこう大変である。
それゆえ人が離れていくと同時に、
運からも見放されることになる。
by. 桜井章一氏
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思い込みの強い人というのは、
概して心の底に不安を抱えているものだ。
その不安をなんとか解消しようと、
思い込みという決めつけをして安心を得るのである。
by. 桜井章一氏
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いうなれば不安を解消するために出した自分なりの解答が、
思い込みという形になるわけだ。
「自分は正しい、絶対に間違っていない」
というタイプの人がよくいる。
こういう人の思い込みを正すのはなかなか難しい。
思い込みを正すのに違う考えをぶつけても効果はない。
by. 桜井章一氏
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あくまでその人が正しいと思い込んでいることとは
違う具体的な例を見せることしか、解決の方法はない。
「いいこと」というのは、
思い込みの方向や程度によっては、
それを共有しない人を攻撃する道具になったりすのだ。
by. 桜井章一氏
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私は思いを持つなら、
「ふと思う」という感じにしたい。
そういう思いは瞬間のものなので、
重たくはならない。
軽やかに漂ってスッと消えていく。
by. 桜井章一氏
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思い込みに囚われた重たい思いよりも
「ふと思う」という思いのほうが、
そのひとらしい「いい味」が出る。
「重たい思い」というのは、
その人の本来のよさまで隠してしまうのだ。
by. 桜井章一氏
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もっとも正確なことをいえば、
生きている人間の心で、
揺れていない心などありえない。
まったく動きもせず、
変わることもない心があれば
それはちょっと異常な状態である。
おそらくまったく揺れない心を持っているのは、
死んだ人間だけだ。
by. 桜井章一氏
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人の心は、絶え間なく動く。
問題は、いい揺れ方をするか、
あるいは悪い揺れ方をするかである。
結局、どんな揺れ方をするか、
どんな動きや変化をするかということが大事であって、
いい揺れ方をし、いい動きをし、良い変化をしていれば、
それこそが「揺れない心」と呼べるだろう。
by. 桜井章一氏
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たとえば、感情に曇りがなく穏やかな気分でいるときなどは、
心が揺れていない状態である。
心が激しく揺れている人は、
何かに強く囚われていたり、
リズムが一定していない揺れ方をしている。
つまり悪い揺れ方をしている。
by. 桜井章一氏
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人を評して、よく「ブレている」「ブレていない」といったりするが、
ブレた状態とは、「いい揺れ」から外れることで起こる。
「いい揺れ」からしょっちゅう外れてしまう人は、
つまるところ自分のしっかりとした軸を欠いているのだ。
by. 桜井章一氏
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とはいうものの、考え方なり、
行動なりを意識して変えていけば、
「いい揺れ」に近づいていくことは可能だ。
つまり、何もないところから「いい揺れ」を目指すより、
「悪い揺れ」が起こる原因を理解し、
それを取り除いていけば、
心は自然と「いい揺れ」になっていくものなのである。
by. 桜井章一氏
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人の意識はこのように何かマイナスの負荷がかかったとき、
半ば無意識に悪いほうに想像を広げる癖を持っている。
意識がこういう癖を持っていることは、
よく理解しておいたほうがいい。
by. 桜井章一氏
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マイナスの想像は、
いい流れを止めることもあるからだ。
あるがままに事実を受け止めて、
次の瞬間には別のことをさっと考える。
by. 桜井章一氏
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