■悪戯の流儀 -青春出版-
物事には必ず二面性がある。自分の行いを律し、善行を積み、”地運”をつけることだと俺は考えるが、いまの人たちはどうだろうか?
痛みっていうのは、
たいていイヤなもんだよ。
避けたいよな。
だけど同じ痛みでも気持ちのいい痛みだってある。
物事には必ず二面性がある。
痛みにしても苦痛ばかりではなく心地よい痛みがあるはずだ。
by. 桜井章一氏
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ところが、人間はそれを一面的に決めつけたがるよね。
それによって誤ることがあまりにも多すぎる。
たとえば、理性を最善とするだろう。
まあ、官僚や大企業のトップは理性のかたまりだけど、
かりに理性が善であれば、
奴らは悪いことはしないはずだ。
by. 桜井章一氏
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しかし、裏ではとんでもないことをやっているじゃねえか。
俺は理性なんかちっとも大切だと思わないんだ。
むしろ、理性が勝ちすぎて、
いきいきした”感情”を失ってしまうことのほうがオレには怖い。
なぜなら感情の豊かな人は、
悪いことはしないんだよ。
by. 桜井章一氏
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しかし、よい痛みや疲れを肌で感じることで、
本当の喜びを知る。
その経験が感情を豊かにしていくはずと確信しているんだ。
喜怒哀楽を素直に表現しないで、
自分の心をごまかしているわけだ。
それに慣れてくると、
最後には善と悪のケジメもなくなる。
by. 桜井章一氏
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逆にいえば、良心を取り戻すと、
いわゆる良心の呵責が起きる。
それが恐いからあえて目をそむける。
それによって感情は死に善悪のケジメもつかなくなるわけだ。
自分を殺して仕事をしているうちに、
生き生きした心まで失ってしまう。
by. 桜井章一氏
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善と悪を感じる心を持つこと。
生き生きと血の通った人間になるには、
どう生きればよいかこそがテーマだ。
人の運には「天運」と「地運」がある。
天運とは人知のはかりしれない自然からの運であり、
地運はその人の行いによって積み上げられてくる運だ。
by. 桜井章一氏
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“天運”に見はなされていた男が勝ったのは、
ヒクソンの日頃の行いによる”地運”がイザという場面で表に出てきたのだと俺は解釈しているよ。
自らの力で立ち、
自らの力で歩いているということ。
これは言葉を変えれば、
自分の行いを律し、善行を積み、
“地運”をつけることだと俺は考えるが、
いまの人たちはどうだろうか?
俺がみているかぎり、
自分を磨こうともせず、
天運がほほえんでうまくことが運んでいるときはいいが、
いったん、落ち込み始めるとズルズルとダメになっていく。
by. 桜井章一氏
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それが真の実力であることも認めず、
運が悪いと嘆いている。
地運をつける努力もしない。
それは、自分がないのと同じことだ。
つまり、不安を持ち、
緊張を感じるのが生き物なんですよ。
by. 桜井章一氏
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逆に言えば、不安も緊張もないのは、
感情のないロボットでしょう。
緊張と不安はあったほうがいい。
それをまず認識することだ。
だって鹿が不安も緊張感もなく、
ノホホーンと水を飲んでいたらたちまちライオンの餌食になる。
だとしたら緊張と不安を持つことで敏感に危険を察知しながら勇気を持って水飲み場へ向かうことが大事な行為じゃないか?
by. 桜井章一氏
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私の経験上、大きな勝負にのぞむとき、
緊張と不安をかかえながらも
“やったろうじゃねえか!”
という気持ちが同時に起こり、
これらがひとつになったときにものすごい集中力、
エネルギーが出てくるんです。
さらに大事なことは、
失敗は誰にでもあるということ。
緊張と不安をなくしても失敗はするということ。
しかも失敗をしないことが偉いとか、
素晴らしいことではないということを認識しなければいけないね。
by. 桜井章一氏
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私は、100個の行動、
10個の失敗の人間のほうがすばらしい人生を送っていると思うね。
1個の失敗しかしない人間なんてロクなもんじゃない。
何より失敗を恐れて行動力のない頭でっかちだろうよ。
要するに極度の緊張と不安を持つのは、
行動力の欠如が原因だね。
by. 桜井章一氏
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そして、失敗に慣れていく。
その結果として、いい緊張感を持って、
新しいことに挑戦していく強い心が生まれるのだと思うね。
自然界にだって揺れはあるよね。
地震という揺れがあるだろう。
そうした自然から習えば私地震も微震や弱震ぐらいの揺れを起こしていると思うよ。
by. 桜井章一氏
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ところが、君の場合のように、
その揺れが極端に大きいと、
それ(地震多発地帯)と同じように、
君が自分の揺れに悩んでいるのなら、
まず環境を変えることだよ。
環境を変え、落ちついた生活をして、
症状を軽くしていく努力が必要でしょうね。
それと気をつけなれければならないのは、
何ごとも”すぎない”こと。
by. 桜井章一氏
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良いことも悪いことも、
やりすぎは毒だよ。
だから自分の思考や行動を腹八分目という状態にすることです。
そうすることで心のバランスがとれるようになり、
大きな揺れはなくなるはずだな。
しかし、それ(知識)はほんの一部分であって、
私の体験では知識ではとても通用しない世界はたくさん見てきたし、
知識よりもさらに大切なものがあると私は実感しているよ。
by. 桜井章一氏
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