知とかテクの前に、厳しい鍛錬の道が必ずある。それを通り越すと、逆に楽になるのです。自由というのは、楽の中にはありません

■なぜあの人は強いのか -東洋経済新報社-

知とかテクの前に、厳しい鍛錬の道が必ずある。それを通り越すと、逆に楽になるのです。自由というのは、楽の中にはありません

「いくらお金を稼いできても、悪い人が来ればコソコソ逃げたり、誰かのせいにしたり、何かの時は見ているだけとか、人にやらせてしまうようなオヤジでは、背中はない」

「大人になるということは、純粋から不純になっていくことなんです。
大人というのは不純な姿、不純で頑張っている価値を子どもに見せてしまっているのです」

「海に入る時でも、海をなめません。
海には勝てっこない。
そのかわり勇気を持って入る。
その両方なのです」

「冷静と勇気というのは、相反するものです。
そのバランスを持たないとダメなのです。
だから、バランス感覚が必要です。
バランスの悪い人の麻雀の手は、崩れてしまいます。
冷静にやっても、臆病になります。
冷静ゆえに、手が縮こまってくる。
勇気を持つと無謀に変わる」


by. 桜井章一氏

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「レースでも、直線は直線の走りをします。
カーブの時に直線の走りをしたら、ぶつかるに決まっています。
その場の正否を見きわめることが、世の中の正否につながります」

「正否というのは、誰かが決めたことではありません。
その場に置かれたことを正しく見ることです。
あれをやってはいけない、これをやってはいけないということではないのです。
カーブの時に直線で走るのは、正ではなく、否なのです」

「そのためにも、準備、実行、後始末が大事です。
準備心をしっかり持って、これから起こることのために、先に準備する。
実行する時は勇気を持ってやる。
終わったらおしまいではなく、後始末をすることで、次の準備へ向かう」

「そうか。いいんだよ。
息抜きしなさい。
人間は息抜きが必要だ。
でも、手抜きしちゃダメだよ」


by. 桜井章一氏

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「自然界は、手抜きして生きられるような甘いところじゃない。
自然界は厳しいからこそ自然なんだ。
だからといって、いつも厳しく生きていると、ストレスがたまるよ。
息抜きの上手な人になりなさい」

「勝負は全部、息を抜くコツと、厳しさの両方なのです」

「自然というのは、穏やかさと、半端じゃない高波や、波に巻き込まれる厳しさがある。
厳しさがあって、自然なのです。
かち取るべき自由は、厳しさを通り越した向こう側にある。
厳しさの向こう側に行かないと、自由はない」

「今、われわれが住んでいる自然界は、それほど厳しくはない。
でも、エベレストの頂上は厳しい。
そこには自然が残っています。
厳しいからこそ自然が残っているのです」


by. 桜井章一氏

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「知とかテクの前に、厳しい鍛錬の道が必ずある。
それを通り越すと、逆に楽になるのです。
自由というのは、楽の中にはありません」

「オレもその前に苦しさがあるのです。
それを通り越したところで楽になっているのです。
彼らは、厳しさで終わっていて、もう一つ先に楽があるという実感をしていない」

「楽に勝ったことは一つもない」

「麻雀の世界も、デジタルという感覚でとらえてやればどうにかなるという考えがあります。
世の中がデジタル化されているために、麻雀もそうなるのかと思ってやっている人がたくさんいる。
これは知識から入っているのですが、そんなものはまったく当てにならない。
麻雀は、元に戻るアナログのほうなのです」


by. 桜井章一氏

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「進歩に相反する観念がわいた時のほうが、とんでもないことが起こったりするのです」

「進歩に順応している部分が悪党です。
自分自身で許さない部分なのです。
進歩に追いついて救われる部分もあるでしょう。
けど、進歩にそぐわないで、逆に元へ戻そうという気持ちが、オレを危機一髪から時々救ってくれるのです」

「オレがジャンケンをやって必ず勝てるのは、相手の出すものがわかるからです。
相手のグーチョキパーの像がはっきり出てくるからです」

「今、おまえ最初にグーを考えてから、パーを出しただろう」


by. 桜井章一氏

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■雀鬼・桜井章一の究極奥義 無敗の手順 -竹書房- 心を折るな。心を曲げるな。和了って、振るのが麻雀なんだ。頭で考えたことより、感じた...

「ジャンケンに強くなることだけではなく、麻雀だって何だって、楽しくなければ強くない。
海に潜るのだって、楽しみが先でないとつまらない。
仕事だってそうです。
人間関係だってそう。
人生の幸せは、楽しいことがすべてです。
厳しいことが起こっても、厳しいことも楽しめばいいのです」

「人間の一つ一つのパーツが1億違う。
それぐらいに、麻雀のミス、誤りも、広げると1億ぐらいのパターンがあるのです」

「その中で、それをつかんでいる人間と、小さくまとまっている人間とで違いが出てきます。
それは集中力です。
集中力は、一点にとらわれるものではありません。
無限に広げるものなのです。
無限に広げられた時に、集中力は完成されるというのが、オレの考え方なのです」

「一点にとらわれると、つかまります。
つかまったら、身動きできません。
物事は決して一つのことでは成り立っていない。
世の中、一日一刻変化があるのが当たり前なのです。
だから、その変化に順応することが大切なのです。
変化に追いついていくこと、それが集中力です。
一点にとらわれることが集中力だと思っていると、次のパターンが来た時には、まったく変化ができなくなってしまいます」


by. 桜井章一氏

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「ヤマを張るというのは、かたよりです。
その程度ですんでいるということなのです。
集中力は、勝負の観点からすると、どこに来てもOKという考え方です。
どこにでも対処できるという考え方にならないとダメなのです。
ヤマを張っても、はずれたらおしまいです。
当然、勘が鋭ければ、それが当たる確率が高いので、勘は大切ですが、やはり全体です」

「オレの言う集中力というのは、小石を投げた時、波紋が広がる、あるの感覚です。
一つのモノを投げて入れて、それを中心に広がった感覚でモノを見ると、全体が見えてきます」

「普通の人は、捨てたパイは要らないから、目を置くのは自分の手パイと、相手が切ったパイです。
これは知識です。
ところが、捨てたパイは無心です。
見えるところには損得の情報があるから、どうしてもそちらにとらわれる」

「それは間違っているのです。
捨てたもの、無心のものを見ていると、全体が自然に見えてきます」


by. 桜井章一氏

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「その時に、『三萬を振って取られた。三萬振ったのは失敗だ』という考えが起こります。
バカ言ってるんじゃない。
『オレが要らないパイを、相手が必要としてくれたんだ』ぐらいの余裕を持つ。
廃物利用です。
上げたら損だとか、鳴かしたら損だと思うことはない。
それが流れをとめてしまうのです」

「自分が要らないからと切っても、要ると言われれば、そのパイは相手にとって生きるのです。
それがまた自分に返ってきます」

「一人ひとりがいい麻雀を打つことで、ひとつのモノが生まれたのだと思う努力をするのです」

「取った点棒の半分は返す」


by. 桜井章一氏

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■きみに努力はいらない -大和書房- 幸運というのは不思議なもので、つかまれるのを実に嫌がる。自分に自信をつけるために努力するのはやめ...

「麻雀というゲームは、『振り込み』と『上がり』という原則で成り立っているのです。
それを裏切るなということです。
ということは、上がったら、今度は返してあげるという気持ちでいる」

「上がったのだからと、カネ持ちのようにしまい込んでいるのは、麻雀のゲームの本質からはずれているのです。
これは人間が後からつけた欲望だとか、駆け引きです。
麻雀のゲームはそういうものではない。
振り込みがいやなら、上がりだけのゲームにすればいいのです」

「上がりと振り込みがあるからこそ、ゲームなのです。
それに逆らうことは、流れに乗れないことになるのです」

「振ったらもう終わりではないのです。
振ったら、今度は上がればいいのです。
自然界でも、晴ればかりでは困ります。
雨が降らないと水が飲めないし、死んでしまう。
死ぬためのゲームを求めているのではない。
上がりたいだけの麻雀は、死に麻雀なのです」


by. 桜井章一氏

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「オレはと言っています。
集中力と継続力と合わせた力と、タフネスさ、その両方を持って打つことが大切です」

「それを続けるには、一回一回に区切りをつけることです。
半チャン終わったら、それで終わったという気持ちではない。
終わったら始まる。
ツモったら切る、切ったらツモるという感覚でやることです」

「麻雀のパイは、やわらかいものなのです。
麻雀パイは普通、指でつかんだり、力いっぱい引いたりして打ちます。
でも、うちらの麻雀は、スッと引くし、顔を触らないぐらい、端っこを持ちます」

「持ち方がやわらかいでしょう。
手のひらで包んだら、引くな。
力いっぱい引くと、相撲で言えば勇み足になります。
だから、力で引きすぎず、とめる。
徳俵ですね」


by. 桜井章一氏

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「切る時も、引いていてはダメ。
足を出して勝負していたら、行司さんに『おまえ、もう終わりだよ』と言われてしまいます。
ヒュッと置くやわらかさが大事」

「ちょっと下半身を落として下さい。
下半身に力を入れるのです。
上半身はダラダラにして下さい。
舌はとがらせないで、舌のつけ根やわらかくして下さい。
下半身を安定させましょう。
声は下半身から出ます」

「力が入っているヤツは弱いです。
力が入るということは、堅いということです。
堅いのは、その瞬間は強そうに見えますが、一つ衝撃を与えれば、粉々になるのです」

「しゃべるというのは、相手をはかっているのです。
あるいは、自分の苦手意識、怖さがある」


by. 桜井章一氏

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■きみに努力はいらない -大和書房- 力を入れずに流れに身を任せる。それが自然であり、無理のないことなのだ。どんなときでも遊び心という...

「パーティーに行くと、まず知っている人を探します。
それは不安だし、居づらいからです。
それと一緒で、麻雀でしゃべりたいのは、自分が居づらいのです。
その場に居ついていない。
居つくというのは、合唱も同じで、体ではなく、足を居つける。
居つくことで発声できるのです。
中谷さん、ちょっと歌う姿勢で自然に構えてみて下さい。」

「力というのは、押し始めると、感情と一緒で、多少の揺れはあっても、とめられてしまうのです。
中谷さんはこんなに押しているけれど、オレは何もしていません。
しゃべっていても、屁をしても平気。
メシも食えますよ。
でも、ほら、中谷さんは押されてしまうのです」

「オレは力でやっているのではありません。
立っている自分の気持ちがそうさせているのです」

「気とも違います。
気持ちの問題なのです。
オレは今、気持ちの上ではフッとしている感じです。
力は要りません」


by. 桜井章一氏

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「真っ直ぐです。
中谷さんがこちらを押すと、力は相変わらず入れてないのに、逆にとられてしまうのです」

「こちらに力を入れていないと、オレが引っ張られることになりますね。
今度は力比べになります。
負けまいと、力を入れようとします。
ここでオレが力を抜くと、中谷さんはタッタッタと前に出ます。
酔っぱらった状態になります。
力を抜いたほうが、相手の力が飛んでしまうのです」

「みんなは、10キロのモノを押すために、20キロの力を出して勝とうとする。
でも、オレたちの場合はそうではない。
10キロのものは3キロで押す。
だから、疲れません」

「もっと大きな、100キロもあるような人は、なおさら飛んでいまいます。
自分の力で飛ばされてしまうのです」


by. 桜井章一氏

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「そういうものが、人間の中にあるということなのです。
人間は、力を入れれば入れるほどグジャグジャになります。
だから『力いっぱいやれ』というのは違うのです」

「それが脱力ということです。
赤ちゃんを抱っこすると、起きている時はそんなに重くないのですが、寝ると重い。
人間がいちばん重くなるのは、死んだ時です。
死体というのは、意思の何もない状態です。
そうなると、半端ではない重さになります。
言葉上で、無心になれというのは、そういうことです」

「力学ではない部分は、確かにあります。
知識だけ考えていると、10の力、5の力というのがあります。
そうでない部分を、われわれは麻雀の中で実感しています。
あるいは普通の生活の中、体力を使う中で実感しているのです。
実感していなければ、オレは絶対言葉にしません」

「知識だけのことなら言いません。
先が見えるというような、言葉にならない、わからないこともあります。
実感したことだけをオレはしゃべるのです」


by. 桜井章一氏

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