1個のパーツがちょっとずつ1億違うから、オレとおまえはだいぶ違うんだ。一つひとつのパーツはたいして違わないのだから、それをちょっと直せばいい。自分全体をちょっと直しても何もならない

■なぜあの人は強いのか -東洋経済新報社-

1個のパーツがちょっとずつ1億違うから、オレとおまえはだいぶ違うんだ。一つひとつのパーツはたいして違わないのだから、それをちょっと直せばいい。自分全体をちょっと直しても何もならない

「私にとって、麻雀とは、公私の問題なんです。
自分が麻雀を打つと手が見える。
それが『私』です。
相手のやっていることは『公』です。
このバランスをとると、麻雀というのは、よく見えて、勝つのです」

「公私のバランスは人間関係でも同じです。
『私=自分』を大切にすると、『公=仲間』が大切になってきます」

「大きいことが美、大きいことをよしとされました。
そのために、仲間意識がどこかに吸収されて、失われてしまいました。
本当の意味での人間関係が欠けてきているのです」

「組織の中には、仲間意識はないのです」


by. 桜井章一氏

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「敵というのは、競争意識です」

「オレとおまえとは競争関係がないからだよ。
同業者じゃないし、まったく別な世界に入っている。
オレはおまえに勝ちたいという気持ちは何もないし、おそらく君も、オレを倒そうなどとは思っていないだろう?
競争関係がないから、争いごとは起こらないし、気持ちよくなれるんだよ」

「教育でも訴えています。
競争して勝たないとダメだという結果論を良しとしています。
経過を見られない人が多いのです。
内容が見られないから、結果を見ていく」

「国は一人の総理大臣がいて、結果論で見ていかなければなりません。
一人一人の内容論で見るわけにはいきません。
そういう一つの形が先にあるから、今度小さい形の時は内容論で見ればいいのに、そこも結果論で見る。
だから、結果よければすべてよしなどという議論が流行るのです。」


by. 桜井章一氏

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「どんな手段でもいいから勝つということになるから、そこに犯罪だとかごまかしだとかテクニックが加わってくるのです。
どんな手段をとってもいいということになって、人道をはずれたものになってしまうのです。
勝ちには正義でないもののほうが、多いのです」

(競争の発想)
「日本の文化どころではなく、もとの人間にはないのです」


by. 桜井章一氏

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(競争の論理を持ち込むと)
「取り入ったり、日和ったり、違う自分の姿を出してしまったり、駆け引きが出ます」

「それを持ったら負けです。
そんなものをなくせば、人間なんて一皮むけば同じです」

「人間には1億のパーツがある。
1個のパーツがちょっとずつ1億違うから、オレとおまえはだいぶ違うんだ。
一つひとつのパーツはたいして違わないのだから、それをちょっと直せばいい。
自分全体をちょっと直しても何もならない。
おまえの場合は、パーツ全部が狂っているから、大変だぞ。
オレも手がかかる。
でも、一つひとつはちょっとだと思えば、おまえもどうにかなるよ」

「人間は悪い部分や、ダメな分野に力を入れるから間違ってしまうのです」


by. 桜井章一氏

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「的を射ていない。
的もなくてやっていれば、それはゆがむよ。
どんな考え方、方向性にしても的がある。
的をはずさないで打つのがいいんだよ」

「ほめることがすべていいとか、叱るのがいけないということではない。
同じ叱ったことでも、相手が嫌な気持ちにならないとか、ほめても、調子にのらないようにするのです。
ほめたことで悪くなる子もいます。
本当にそれぞれなんです。
世の中は、正否がわからないんです。
本当に的をはずさなければ、的確につながる。
麻雀も、本当に的をはずさないで打つことです」

(達人になると、心の中で照準を合わせ直して、もう一度的を見る)
「見る感覚が違ってくるのです。
心の問題になります」

「政治や経済を改革したって、はっきり言って何にもならないんです。
根本的には心を改革すれば、今の経済が10あろうが5あろうが、満足感を得られる心になっていればいいだけのことです。
そこを手直ししないで、経済だけ改革したってダメなのです」


by. 桜井章一氏

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■わが遺言 ~勝負の鬼が辿りついた50の境地~ -ポプラ社- 「私はなぜ生きているのか?」。「この世には、私にしかできないことがあるか...

「ゲームとはいえ、駆け引きして打つ人には、限界があります。
ある程度それが達者な人間は、達者でない人間よりは、知識の部分では勝つのです。
が、それはそのレベルでしかない。
それを超えた人間、捨てた人間、ほかのものを求めた人間にはまったく歯が立たないのです。
政治的な思考、経済的な理念は、麻雀の世界では歯が立たない」

「麻雀卓は、宇宙の裏返しです。
宇宙にハンコを押したようなものです。
麻雀の東西南北は、普通と反対で、鏡に映した状態なのです。
だから、宇宙を反対に映したようなものです」

宗教ということから考えると、人間を神にしたことが誤りです。
オレの神様は、自然だけです。
海であれ、太陽であれ、自然がすべて神だと思っています」

「神に会いに行くのでしょうね。
人間界には、神はどこにもいません」


by. 桜井章一氏

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「人間は、大昔から自然の恵みを与えてもらわなければ、生きてこれなかった。
その観念を忘れてしまっている。
全部与えられていると思えば、感謝心が生まれます」

「知識とかなんとかではない。
道理を見つけ、道理の中でやっている。
おれは宗教書も読んだこともないし、
哲学書も読んだことはない。
でも、感謝心とは、こういうことなのかなと思うのです」

「バランス感覚があれば、自由も平等も全部わかるのです。
バランス感覚がないから、結局はいろいろなことが起こってくるのです」

「ホテルマンも、人気としてやっているのではなく、儲かるからとか、好意を持たれるからということで、一つのハウツーでやっているところがあります。
でも、それはそれで一つの商売の道です。
人間の道ではない」


by. 桜井章一氏

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「すべてにおいてバランスをとるということは、修正する力、調整する力が要る。
それが復帰に変わってくる。
復帰することが一番大切なのです。
『失敗してもいいじゃないか、復帰すれば。
ダメなことをやってもいいじゃないか、復帰すれば』
いいのです」

「オレは、何をするにもへのカッパ。
ダメだったらどうしようという気持ちは毛頭ないのです。
ダメだったら、いくらでも修正して復帰すればいいんだと思っている。
ところが今の子は、そういう修正力、調整力、復帰する力がなくなってしまったんです」

「修正とか復帰の力が一番強いのは、下等動物です。
トカゲがそうです。
トカゲは、シッポを切っても逃げる。
ほかにも、どこを分断されても、自分の力で元の形に戻れる動物がいます。
そういうのは、すごく強いことです」

「人間も、修正ができればすごい。
ガンになっても、もとに戻ればいいし、何か悪いことしても、自然に反省できるようになる」


by. 桜井章一氏

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■雀鬼流 無敵の勝負論 -青春出版社- 感じてすぐに動けるからこそ早いのであり、早さの中に感性が宿るのだ。本当の準備とは、自分をどんな...

「世の中は自然に逆らっている。
オレは自然が大好きで、自然を愛しているけど、ヨーロッパ人がつくった世の中に順応し、寄りかかっている自分がいる。
その部分が、オレにとって、えらい悪党なのです。
人のカネを盗むとか、ごまかすという悪党ではなくて、自然に対して悪党です。
だから、『我、悪党』と言っているのです」

「テクニックにこだわらせたくないのです。
多少技術はあるのですが、そこにこだわると、逆に弱くなるのです」

「技・体はそこそこ鍛えていますが、中でも心の部分が問題なのです。
『心・技・体』と『心』を入れている。
でも、装いになる場合があって、本当に『心』も一緒にくっついている人になるのは難しい。
スポーツ界には、まだまだ心が足りないですね。
まれにそういう人がいるかもしれないけど、ほとんどの選手は『技・体』で勝負しているところがある」

「それをよしとするのではなく、『技・体』で成立する程度のスポーツ界だということなのです。
ところが、昔の剣豪が、これから命を賭けた闘いに行くという時は、『技・体』は忘れて、『心』の問題になるのです」


by. 桜井章一氏

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「ほかの選手は見なくていいから、イチローだけ見ていればいい。
イチローは、きちんと準備、実行、後始末をしているよ。
それを見なさい。
物事は準備、実行、後始末がワンクールなんだ。
イチローは、試合前から屈伸運動をしたり、ボールを触ったりしている。
ベンチにいる時は守備、守備をしている時は打者の準備をしている。
前に前に行っている。
前に前にわかるようになれば、競馬が当たるように、予測がつくようになるよ」

「イチローは、ヒットを打とうと思っているのではないのです。
ホームランを打とう、飛ばそうと思っているのではなく、当てようと思っている」

「でも、そうではない。
『打ち方を教えて下さい』と言うのが最初です。
『会長、上がったり、振り込んだりする、そのバランスを教えて下さい』と言ってきたら、
『おおっ、こいつはいいことを言うな』と思うけど、片方だけと言うのは、もうずれているのです」

「イチローの場合は、とにかく打とうというよりも、来た球はどんな球でもまず当てようという気持ちがある。
だから、スタンスの幅が広くなって、ヒットの確率が高くなるのです」


by. 桜井章一氏

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「オレだって、かげりができると、30分ぐらい戻らない。
それをムリに戻そうとすると、もっと悪い結果になるから、その時間を待つだけです」

「悪い結果が出ようが、自分がかげりに入って、傷を受けたのだから、それは当然として受けとめる。
失敗に対しては、かげりが出ないほうが間違いで、傷を受けたほうが正解なのです。」

「イチローの場合は、屈伸運動を半端でなくやっていますから、体に柔軟性が出てきます。
あれは前もって、早めに修正ができるためにやっているのです。
修正力の強さがほかの選手と違うのです。
おそらく酒を飲んだり、なんだかんだして、アラヨッというぐあいにやっている選手を見て、イチロー選手はイヤだったんじゃないですか」

「勝負事は、間合いです」


by. 桜井章一氏

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■雀鬼流 無敵の勝負論 -青春出版社- 勝った負けたではなく、人間がどう変わっていくかが肝心なのだ。自分自身がしっかり生きるということ...

「武道も、全部間合いで闘います。
間合いからはずれれば勝負にならない。
武道でも、間合いの中で、どう自分の姿をとっていくかです。
間合いをはずれたら、負けです」

「間合いというのは、日常生活では『間に合う』ということです。
間に合わないヤツは『間抜け』です。
間抜けなヤツは間に合いません。
ふだんから何かを間に合わせる感覚を持っていれば、『デキる男だ』『信頼の置ける男だ』となります。
ものごとの真理を見つけ、起きる問題を片づけられる力が間に合うということです」

「情報ほど、人を惑わせるものはないのです」

「自分だって、いいかげんな情報を出しているのです。
その人が神様なら正しい情報を出す。
けど、自分ですらあやふやなのに、なぜ3人の情報にとらわれるのか」


by. 桜井章一氏

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「情報を見るのではなくて、間合いから起こってくる空気をはかるのです。
空気を感じながら、その場を読んでいくのです。」

「リズムをくずした時は、もうダメですね」

「音のはずれで、すぐわかる。
麻雀だってそうです」

「大きな手で上がれば、相手はバーンとやるから、見なくても『ああ、満貫ね』となります。
同じように、配牌を取った時に、手が悪いと、動きも悪い。
手がいいとパパパッと動く」


by. 桜井章一氏

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「人間というのは、自分の心情を体であらわしてくるのです。
それをバクチ打ちのブラフ(ふり)でやろうとすると、明らかに出てきます。
だから、どう転んでもわかってしまうのです」

「麻雀はわかっていいじゃないかということでやるのです。
わからないように打とうとするから、そこでもう負けてしまう。
自分の手が、相手に読まれるということは、正しいことをやっているからです」

「オレは、おまえら選抜Aクラスの選手の手が読める。
でも、初心者が来たら、そいつが何をやっていいかわからないから、オレはわからない。
うまければうまいほど、オレはわかるんだ」

「オレは、オープンにしてやりたいぐらいです」


by. 桜井章一氏

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