■なぜあの人は強いのか -東洋経済新報社-
100%で生きているやつは、80%で生きている人にかなわない。これから起こることがわからないようでは、オレの負けなのです。勝ちを求めてはいけないのです。強さを求める
「それもバランスですね。
心と体のバランスをとるから、そういう状態ができているのです。
バランス感覚がいいのでしょう」
「オレが方向をわかればいいのです。
相手の方向を失わせれば、相手はわからなくなります。
麻雀も、正しい方向に向かって打つのが勝つ秘訣なのです。
自分の心の持ち方とか欲望、知識で、逆に方向を足止めしたり、負ける方向へ持っていく。
オレにしてみれば、なぜみんな負ける方向へ行くのだろう、負けるほうへ努力するのだろうと思うのです」
「一つのモノというのは、一つの概念からはないのです。
一本の木というのは、たくさんの枝から成り、必要なモノも土だけではない」
(必勝法を聞きたい人は、一つを求めようとする)
「そんなものは、あるはずがない」
(大きなものは、必ず小さなことから出てくる)
by. 桜井章一氏
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「伸びると言っても、こういう世の中、人間としてすばらしく伸びられるかとか、いろいろありますね。
でも、こいつはこっち方面に伸びていくということはわかります」
「麻雀だけで言えば『はしっこい子』は強くなります。
トロい子はダメです。
スピード感覚がつけられるかどうかなのです」
「だから足でこぐ。
ちょっとゆっくりでは安定しません。
ある程度のスピードを出せば、両手も離せるようになる。
その、ある程度のスピードがいいのです。
スピードに乗ると、逆に安定するのです」
「100%で生きているやつは、80%で生きている人にかなわない」
by. 桜井章一氏
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「完全、絶対感というのは、病です。
やはり腹八分目の感覚が大切です。
100だとは思わないことです。
いつでも80で生きる」
「女を愛するのも、100愛していたら、憎悪に変わってしまいます。
地球だって、ずっと西に向かっていけば、いずれ東に着きます。
それと同じように、過ぎてしまえば反対側に落ちてしまいます。
だから、100は恐ろしい。
100勝とうとすると、すぐ後ろに負けがある。
80%なら、いつも20%余裕があるから、勝ち続けられる。
そこに余裕、遊びを置いておくことがいいのです」
「100やりましたと言うのは、『おまえ、もうおしまいだよ』ということです。
体だって、100食べたら、動けない。
それ以上食べすぎたら、もっと動けなくなる。
80ぐらいがいちばんいいのです。
そうすれば、その次の食べ物も楽しみになります。
ところが、人間は欲が深いから、100、100と思うのです」
「それは、勝つというよりも先に勝つことを美化させているからです」
by. 桜井章一氏
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「競争、闘争というのは人間が自然界で生きる上に必要です。
それすら失ったら、ヤル気も生き甲斐もなくなってしまう。
だから闘争心を持ってもいいけど、他人には持ってはいけない。
自分に持って、それぞれが自分と闘うのです」
「調子のいい、悪いではなく、そういうことにこだわらない流れがいいのです」
「ミスというのは、調子のいいヤツと悪いやつが犯すのです。
調子にのったヤツは、ポーンとミスを犯します」
「本当の『調子』というのは、いい悪いがわからなくなった時のことなのです。
とらわれていなければ、踏みはずしません」
by. 桜井章一氏
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「将棋は、ある程度答えがあるものを追求している部分がまだ
あるのです。
読むと言っても、いくつか読んだ上で、その中から的確な答えを出せばいいというゲームです。
ある程度積み立てられたもの、体験だけでどうにかなるものもあります。
麻雀は30年打っても、体験が身にならないのです。
道を間違えないで、本当に深い経験をすることが大事なのです。
30年やったからといっても、まったく経験にならないのです」
「これから起こること、ジャンケンでも、相手の心が絵で見えるわけがないのに、映像化されてくるのです。
それと同じように、麻雀も、絵で出てくるモノではないのに、映像化して見えます。
すべての心の状態となって出てくるのです」
「相手の手の内を読んだからそうなるのではありません。
そうなるとわかるから、先に切られる前に上がっちゃうよという感覚なのです」
「その人が今までどういう上がり方をしたか、わかる。
あるいは今日ここに来る前に、気持ちが悩んでいないか、弱っていないかということもわかります」
by. 桜井章一氏
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「背中のすきま風で、その人の調子がわかります」
「これから起こることがわからないようでは、オレの負けなのです。
麻雀をやって勝ち負けだけでは面白くありません」
「うちの道場の子の麻雀は、オレがボーッと見ていると、『こいつら、すげえ!オレみたいなジジイが入っていったら、とても勝てないな』と思うぐらいの麻雀を打っています」
(勝負師としての厳しい目で見ていると、変わる)
「なんだ、おまえら、こんな麻雀を打っているのか」
by. 桜井章一氏
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「オレの心構え一つなのです」
(人間的に犯してはいけないこと)
「そのほうが大きな罪です。
カッコ悪さを感じます」
「人のリズムを壊すのもペナルティーです。
1人が時間を使うのもペナルティー」
「あなたがつまずいたために、別の人がミスを犯すこともあるのです。
そこまで判断ができないといけないのです。
罪を犯した人間が、罪ではない時があるのです」
by. 桜井章一氏
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「4人のうち、一番レベルの高い人に合わせることです」
「レベルの高い人も、いつも高いわけではない。
人間は、いつも好調ではない。
熱がある時もあれば、イヤな気持ちを引きずっている時もある。
その日に打ってみて一番いいと思う人の麻雀に合わせることです」
「心が澄んでいるでもいい。
きれいな人でもいいし、目が冴えているでもいい。
それが船頭さんに、櫓を持たせたということなのです」
「櫓を持つ人間がよくなければいけない。
それが指導者の役目です」
by. 桜井章一氏
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「レベルの高い人とやって勝っても、それは間違いなのです。
相手をつまずかせたり、リズムを殺したり、でたらめをやって勝っている。
麻雀はそれでも勝てるのです。
でも、それは本当の実力ではありません。
実力ははっきり出ないといけません」
「でも、自分がだんだん強くなって、追いついてきます」
「人のために、自分の場を維持していけばいいのです」
(人生においても、勝ってはいけないところで、間違えて勝つことはある)
「それが世の中ではないですか。
今の世の中、間違えたヤツが勝っていますよ」
by. 桜井章一氏
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「勝ちを求めてはいけないのです。
強さを求める」
「ただし権力を求めるのではありません。
『勝ちを求めず、強さをはぐくめ』というのが、オレの教えなのです。
それぞれが、強ければいいじゃないですか」
「男らしいというのは、リスクがあっても挑戦することです。
リスクをどうにかしのぐということです。
そこで男を磨いていくのですが、今の男の子は、損得勘定で、リスクがあったらやらない。
本当は、やらないほうが損なのです。
『やったほうが、得になる』ということがわかっていない」
「モノはたくさんあります。
が、一番大切な自分の肉体の中に何もない。
体があっても心がないから貧しいのです。
貧しいからこそ、損得に執着するようになる」
by. 桜井章一氏
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「酋長ツェーラビは、『何もないから欲しがるのだ』と言います。
これだけモノを欲しがるというのは、いかに人間に何もなくなっているかということの証拠なんです」
「日本人は、戦争で敗れていながら、その後も戦争の手段をとっているのです。
それで大成したとか進歩したと言っているけど、結局は戦争がかち得たものです。
だから、日本は戦争ででき上がった国なのです。
こんなものは、もしも経済という戦争で敗れれば、人間的、人格的には、三流どころか五流です」
「だから、殺伐としている。
学校教育も戦争です。
それはみんな自分のポジションで、自分のためだけにしか生きていないからですね」
(桜井さんは、校長に言ったことがある)
「学校はおまえたちのものではない。
学校は、教育委員会のものでも、文部科学省のものでもない。
学校というのは主のためにあるんだろう。
先生のためでも、父兄会のためでもない。
学校でいろいろな教育問題があるのは、おまえたちが間違っているからだ」
「組織があるからこそ、いろいろな問題が起こるし、身勝手が通る。
それは防御にもなるのですが、相手をつぶすものにもなるのです」
「みんなが努力して、経済的にも人間的にも、いろんな意味で大きくなるために頑張っている。
けど、大きくなろうとするから、小さいものをないがしろにしてしまう」
by. 桜井章一氏
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「小さいものは能がないと考えておろそかにして、虐待と危害を与えることが、今ものすごく多くなっている。
これは大きいものをよしとした裏返しです」
「大は小を制するで、みんなが大きくなろうとしているけど、そうじゃない。
小が一番大切です。
「舌切り雀」のお話じゃないけど、大きいつづらには化け物が入っていて、小さいつづらには宝物が入っていた。
宝物というのはお金じゃなくて、心の宝物です」
「自分の中で闘えば、勝っても負けても自分だから、五分で、バランスがとれる。
これが人と闘うから、かたよるわけです」
「ほかのことでやることをいっぱいやって納得感があって、麻雀も勝つと納得がいく。
けど、麻雀だけ勝って、ほかのことはダメだったなと思っていると、納得感がないんです」
by. 桜井章一氏
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「日常生活が、麻雀に通じるよ」
「うちの子は、ふだんやるべきことをやった人間が勝つのが当然だという観念でやっています」
「その時が一番の完成点です。
それがバラバラで、トップとビリが離れていたら、そこに仲間が足りなかったところがある」
「裏というのは、これから起こることを『先に起こしてしまう』状態です。
裏技がわかると、表側でこれから起こることがわかる。
表と裏とありますけど、裏側で起こっていることが逆にホンネの部分だ」
by. 桜井章一氏
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「人間って逆なんですよ。
オレから見ると、裏側にあるものがホンモノのような気がします」
「本当の姿じゃなくて、変わるんです。
だから、人間はここぞという時じゃないと変われないんです」
「だから、そういう時は、逆に言うとチャンスなんです」
「危ないほうが面白そうだなというのがオレだ。
安定したほうより危ないほうを選んでしまう」
by. 桜井章一氏
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