■勝利を呼び込む 「無敗」の法則 ~雀鬼流麻雀道場 下巻~ -竹書房-
変わり目の予兆を見落とさず、その場の流れをしっかり捉えて打て。その場の色・型・スジの強弱を常に意識し、全体感で麻雀を捉えて卓に乗れ
「南2局は得意のピンズで、俺(A)が 一筒、四筒 の2600を和了った。
トイトイや四暗刻はもちろん、チートイやイーペーコーも消える、最安目の 八筒 ツモによるテンパイ。
さらに裏も乗らず、という最も安い手で和了れているのが、俺にとっては、むしろ好都合」
「この和了りは、小場対荒場の闘いで、一方のDのマンズのメンホンという大物手を殺していることに、大きな意味がある」
「南2局あたりから、今まで続いた小場の流れから一転、荒場が1局出そうな予兆が見える。
前局は一歩の差で小場が荒場を制したが、今局はドラが字牌の 西牌。
また嵐の予感が」
西家A 配牌
六萬、八萬、二筒、三筒、赤 五筒、六筒、七筒、一索、四索、八索、東牌、白牌、白牌
セコい手だったら、
どうにかなるけど、
一発決める手だと遅れると。
by. 桜井章一氏
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南家D 1巡目
一萬、二萬、二萬、二萬、六萬、九萬、一筒、六筒、七筒、一索、二索、五索、白牌
ツモ 伍萬
打 九萬
(一筒 だろ、これ?)
普通はマンズ残すよなぁ。
西家A 2巡目
六萬、八萬、二筒、三筒、赤 五筒、六筒、六筒、七筒、四索、八索、東牌、白牌、白牌
ツモ 八筒
打 四索
(678が一応あるのか。)
四索 でいいね、これは。
親C 4巡目
一萬、三萬、伍萬、六萬、四筒、五筒、二索、三索、六索、六索、南牌、南牌、中牌
ツモ 六索
打 三萬
(わかってるのか?コイツ!
マンズの弱さを!)
手順通りだよ。
南家D 7巡目
二萬、二萬、二萬、四萬、伍萬、伍萬、六萬、一筒、一筒、六筒、七筒、七筒、五索
ツモ 七筒
打 六筒
四暗刻!
(なんでこれ、五索 切らないんだろう。)
by. 桜井章一氏
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(だって普通、先に 中牌 切ってますもん、これ(笑)。)
切ってるよね、本来なら。
裏、乗っけて。
変わり目の予兆を見落とさず、
その場の流れをしっかり捉えて打て。
ずっと小場が続いていても、
突如として荒場に変わることがある。
だが、その裏には何らかの予兆が存在する。
by. 桜井章一氏
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例えば前局、
誰かに大物手が入っていたり、
ドラに字牌が表れたりといった場合、
それは場が大きく動くサインでもある。
さらにその半荘、
足の遅そうな者や型から外れた者が和了る流れで、
遠くに大物手が見えるような人間がいたなら、
その局どういう和了りが生まれるかも予測可能となる。
「Bの和了りは、ペン 三筒 が入り目の 中牌 待ち。
これは、この場のピンズと字牌の流れに乗っている。
東パツの国士、チートイツの 南牌 単騎と、B自身の字牌の強さが生んだ和了りでもある。
だから本来なら、これが決定打になるような和了りだが、実力差があるので、このままトップで終わることはない」
Bのダンナは 三筒 持ってきて、
字牌の 中牌 で和了ったじゃないですか。
by. 桜井章一氏
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ピンズが 中牌 を活かした形じゃないですか。
で、あの 中牌 は、拾いモノの 中牌 でしょ?
だから、拾いモノの裏ドラを生んだんですよ。
だから、ピンコロじゃない方に、
裏が乗ったんですよ。
でも、この後、
ピンコロ引いてくる可能性もある。
そうすると 345 っていうのが見えてくる。
by. 桜井章一氏
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配牌にはないけど、
四筒、五筒 あたりを引けば、
B君の345と同時性になるでしょ。
南家A 2巡目
四萬、伍萬、七萬、七萬、八萬、八萬、二筒、三索、四索、四索、五索、東牌、北牌
ポン 八萬
打 北牌
セコいわりには、しっかり見えてるよな。
親D 4巡目
二萬、二萬、三萬、六萬、三筒、三筒、四筒、八筒、六索、六索、七索、南牌、發牌
ツモ 八索
打 八筒
(678消しちゃったよ。)
これは、やっぱ字牌切るよね。
全部、意味があるんです!
最初2回戦に、樋口を外から殺したじゃん。
by. 桜井章一氏
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で、もう1回やったら、
また樋口がトップ。
だから4回戦はシャボを抜けさせて、
俺が直接、樋口を殺すために下家に入った。
2回戦でトップ取った小鉄。
邪魔っけだから、まず、
最初に小鉄を殺しにいった。
by. 桜井章一氏
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で、1回もトップ取ってない牧野は、
放っといたわけだよ。
だから、あのバイマンが生まれたわけ。
全部意味があるんだよ。
お前ら、見逃してるだろうけど、
ずーっと1、2、3回戦の流れは、
マンコロだったんだよ。
で、マンコロの流れに持っていかせると、
樋口の流れになっちゃうんだ。
by. 桜井章一氏
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だから俺は、
ソーズの流れにすると離れ過ぎちゃうから、
二番手のピンコロの流れに持っていったんだよ。
だから4回戦は、
和了りが全部、
ピンコロと字牌になったんだ。
Dの樋口は、
マンコロが強ぇから危ねぇんだよ。
だから、あと一歩で カン 七萬 の三色とか、
早いマンコロのメンホンとかあったじゃん。
by. 桜井章一氏
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あれ、俺が動かなかったら、
全部樋口が拾っちゃうんだよ。
だから、「荒場」にしないで細かくやって、
小場に、小場に持っていってるわけ。
親の連荘はさせないように。
だから、テメエの親ですら、
連荘しない方がいい。
by. 桜井章一氏
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東4局 南家A 3巡目
三萬、四萬、五筒、七筒、三索、五索、八索、九索、東牌、西牌、西牌、白牌、中牌
ツモ 伍萬
打 東牌
ドラ 三萬
親の樋口にケンカふっかけてるわけ。
ダブ 東牌 が重なってからじゃ大変なんで、
樋口に間に合わせにいってる。
だから、その後の局面は、
字牌を大切にしてるじゃん。
荒らさないように、
荒らさないように打ってたからね。
by. 桜井章一氏
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だから、そういう場で、
しかも俺が座った席が
「ウ◯コ」だろ?
一歩間違えたらヤバいんだよ、
丁寧に打たないと。
でも、オーラス、
最後に 二索 で和了ったじゃん。
あそこから、
今度は俺の流れになっていく。
今まで、ピンコロにずっと寄せてたけど、
もう、あの和了りでマンズ、ピンズ、ソーズ、
全て自由自在なんだよ。
by. 桜井章一氏
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あそこで最後に和了ったのが、
ピンコロじゃ駄目なんだよ。
ソーズだから意味がある。
もしもピンコロの和了りだと、
また次からもピンコロの流れを追っていかなきゃなんないから。
(ピンズが消えて、
マンズ引いてテンパって、
ソーズで和了る、という。)
あのまま打ってたら、
もう俺は、
ソーズでもマンズでもピンズでも、
字牌でも全部イケる。
by. 桜井章一氏
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だから、最後の局は、
俺からすると、
とても良い形の手順。
あれは、逆に最後の締めの形として、
大きくいろんな意味を持たせてるんだよ。
その場の色・型・スジの強弱を常に意識し、
全体感で麻雀を捉えて卓に乗れ。
その場全体の支配色はどの色か?
和了れる役や型は何か?
和了りやドラに絡んでくるスジは何か?
一方、自分が得意、不得意とする色・型・スジは?
という風に、常に全体と個の両方をバランス良く捉え、
かつ強弱の変化も見逃さないことが、
卓上に乗り、
麻雀と一体化することにつながる。
by. 桜井章一氏
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苦手な色を克服した和了りが、
マン・ピン・ソー万能の流れを生む。
例えば、ずっとマンズが苦手でピンズを得意としていた者が、
自分の手牌から得意のピンズが消えてソーズで和了った場合でも、
マン・ピン・ソーすべてOKの、
万能の状態に入っていくこともある。
そうなれば、
あとはもう自然に打っているだけでいい。
刻一刻と変わる自分の状態を常に客観的に把握し、
より良い状態に持っていくための努力と工夫を忘れるな。
by. 桜井章一氏
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それが「無敗」への道につながるのだ。
雀鬼会では「素直」を横軸に、
「勇気」を縦軸とし、
この二つを作り出すことをモットーとしてやってきた。
道場では「礼儀」を重んじる。
武道と同じく、
礼に始まって礼に終わる。
by. 桜井章一氏
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