■死をおそれない生き方 -主婦の友社-
私は”悪いこと”から生まれる物事の方がとても大切だと思っています。みなさんは”心理”で動いてしまうのかもしれませんが、自然の流れは”真理”によって動いてます
「私ってこんなとこがダメなの」
と言ったら相手が去っていくようなら、
その関係は所詮その程度のものだったということ。
そんな人といつまでも関係を持っている必要はまったくないんです。
私にも苦手なことがあります。
そしてその苦手なことを私は大切にとっておいています。
by. 桜井章一氏
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苦手を大切にとっておくのは意地からくるものではありません。
克服しようと思えば多分克服できるでしょう。
でも大切にとっておきたいんです。
大切にとっておいているのは自分のためじゃない。
私のまわりにいる道場生たちのため、
できない子たちのためにとっておいています。
by. 桜井章一氏
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みなさん”いいこと”から物事が生まれると思っているかもしれません。
でも私は”悪いこと”から生まれる物事の方がとても大切だと思っています。
“いいもの”からいいものが生まれるとは限りません。
むしろ”悪いこと”から生まれたものの方が人にいい影響を及ぼすことがあるんです。
by. 桜井章一氏
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数学ではマイナスとマイナスをかけるとプラスになりますよね。
人間にとってのいいこと、
悪いこともあんな感じかもしれません。
今の社会を数学で表せば、
すべて”足し算”の感覚です。
私にあるのは”引き算”の感覚です。
by. 桜井章一氏
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分かりやすく言えば”戻す”
ような感覚ですね。
与えるとから、譲るとか、
そういう感覚です。
「増やそう、増やそう」
と思っていると、
「他から取ってくる」
という感覚が強くなっていきます。
だから卑怯なこと、
狡いことができるし、
心にもないようなことも言えるんです。
by. 桜井章一氏
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“引き算”とは戻す感覚だと言いましたが、
そういう感覚でいると自分のことも取り戻せるんです。
困難な状況にある時、
人はどうしても自分というものを見失いがちですが、
戻る感覚で生きていれば自分を取り戻せますから、
迷路に迷い込んでしまうようなことにはならないんです。
生きざまなんて自分で探せばいいんです。
今の世の中ではほとんどの人がオタクであり、
マニアなんです。
by. 桜井章一氏
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だから囚われたり、
引きずったりしてしまうんです。
オタクやマニアにならないようにするには、
“尊敬”しないことが一番です。
“尊敬する”ということは、
それだけでもうすでに囚われてしまっているわけです。
もし「いいな」と思う人物がいるのだとしたら、
尊敬ではなく好き、
大好きくらいに抑えておいた方がいいでしょうね。
by. 桜井章一氏
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でも誰かを尊敬する、
尊ぶっていうことは怖いことの始まりでもあるんです。
必要以上の力を使って力んでしまっている。
それは体だけでなく、
心もです。
そんなに力まなくてもできるのに、
必要以上の力を入れてやっている。
by. 桜井章一氏
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“力む”とは”固くなる”
ということですから、
自分の持っている力を逆に発揮できなくなってしまいます。
みなさんが必要以上に力んでしまうのは、
いろんなものにしがみついているからだと思います。
しがみついている方が何かを”得られる”
という感覚があるんでしょう。
私は今まで生きてきた中で力んだこともなければ、
何かにしがみついたこともありません。
by. 桜井章一氏
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何かする時にしがみついたり、
力んだりしたらそれが自分のものにならないことを知っているからです。
力んで固くなり、
疲労を蓄積し、
体力も、気力も失い、
やがて動きを止める。
もしかしたらそれを”死”
というのかもしれません。
「力んだら何もできない」
ということを私は遊びの中で学んできました。
by. 桜井章一氏
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自分の力をスーッと抜けばプカプカと浮いていられるのに、
力んで固くなって沈んでいってしまうんです。
がんばって、
何かを手に入れることができればさらにがんばってより高みを目指そうとする。
手に入らないと
「自分の努力が足りなかったからだ」
とさらにがんばる。
どっちに転んでも結局は”がんばる”
ように仕組まれているんです。
by. 桜井章一氏
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そのことにもっと多くの人が気付くべきです。
自然の流れのままに生きていれば、
心身は柔らかい状態でいられます。
みなさんは”心理”
で動いてしまうのかもしれませんが、
自然の流れは”真理”によって動いてます。
自然の”真理”を感じていれば、
何かにしがみつくことも、
固くなることもありません。
by. 桜井章一氏
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自然の中で体を使って遊んでいると、
そういったことも肌で感じることができるんです。
何かにしがみつこうとしてしまうのは、
人間が”依存心”というものを生まれ持っているからです。
ですから、そんな依存心をできる限り小さく抑えていこうとすることが大切でしょう。
不安や恐怖心といったものも小さくしていった方がいい。
by. 桜井章一氏
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でも経済社会の中で多くの人が
“増やせばいい””広がればいい”
という思考の下で動いています。
そういう生き方をしていると、
本来小さくしていかなければいけない依存心や不安、
恐怖といったものもなかなか抑えていくことはできません。
自然の真理はそんなに都合よくはできていないんです。
このように、自然界で毒を持っている生き物は大抵、
見た目が華やかです。
by. 桜井章一氏
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人間には”美的感覚”
というものがありますから、
形が美しかったり、
色合いが華やかだったりするとそれに惹きつけられてしまいます。
私は「よく見えるものほど気を付けなさい」
といつも道場生たちに言っています。
よく見えるシステム、
よく聞こえる言葉、
そういったものすべてに対して言っているんです。
社会の歪みから生じた”狂い”
ってものが普通の生活の中にも入り込んでしまっている。
by. 桜井章一氏
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