■すこやかな生き方のすすめ -廣済堂-
予知能力も持ち合わせているようだし、なにしろ、見ようと思えば、たとえ、目の前にいなくても、相手が見えますからね。そうしたずるく生きる力を、人は「能力」と呼んでいるわけです
でも、命より大切なものがあるってわかれば、
命をかけてもやるでしょう。
だから、「命がけ」
なんですよ。
私にしてみれば、
サメと一緒の海で泳ぐことが命より大事なことですから。
実際、何度も襲われましたよ。
by. 桜井章一氏
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この間も、
鳥が私の手にとまったんで、
鳥としばらく話をして、
「バイバイ」って言ったら、
鳥も鳴いて飛び去っていきましたから。
サメの時も鳥の時も、
ああ、動物に近寄ることを許してもらえているんだって、
感謝しますね。
だから、人間はもっと、
そういう感覚を養わなければいけないんですね。
つまり、身につかない努力をすること、
それがいま一番大事なことなんじゃないでしょうか。
by. 桜井章一氏
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だから、単細胞って悪いことではないんです。
よく「お前は単細胞だな」
なんて言いますけど、
人間はもっと単細胞でいいわけですよ。
もっとバカをやってみるといいんですよ。
そうすると、生命の起源に戻れるわけです。
つまり、生命が誕生した時の気持ちになれる。
by. 桜井章一氏
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予知能力も持ち合わせているようだし、
なにしろ、見ようと思えば、
たとえ、目の前にいなくても、
相手が見えますからね。
その時、思ったんだけど、
観光客って欲張りですね。
だって、一軒のお寺に行けばいいものを、
商店街で買い物でもするように次々とお寺に入って行くでしょ。
しかも、全部のお寺にお賽銭あげて拝んで。
by. 桜井章一氏
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「スケベ心」みたいなもの、
いわゆる少欲ですね。
それは、人間誰でも持っているもので、
やっぱり多いか少ないかの問題でしょうね。
出すか出さないかじゃないですよ。
人間はもともとずるがしこい動物なんです。
ずるくなかったら、
いま人間の社会は、
こうはなっていない。
by. 桜井章一氏
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そうしたずるく生きる力を、
人は「能力」と呼んでいるわけです。
極言すれば、
この世で「能力」がある人ほど、
ずるいということですね。
その源が「スケベ心」
だと言っていいでしょう。
だから、「スケベ心」を持っていても、
それを出さない人もいるということですよ。
by. 桜井章一氏
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動物は食べ残しをします。
たとえば、アフリカのサバンナで、
ライオンがシマウマを見つけ、
追いかけてシマウマの肉を食べたとする。
それでライオンが食べ残したものをハイエナが食べ、
最後はハゲタカが食べます。
クマはサケを食べますけど、
もちろん、全部は食べない。
by. 桜井章一氏
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そのあと、キツネが食べたり、
鳥が食べたり……。
サケは食べられないところはないと言われています。
こうした自然に分け合うことは、
人間はとても下手なんですよ。
できれば、自分の分が多くあってほしいという気持ちがありますから。
by. 桜井章一氏
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まさに、ほかの生物に自分の身を与えるために、
四年間、がんばってくるわけだから。
サケは、自分のすべての存在を他のすべてのものに分け与えて終わっていくんだよね。
でも、生まれた川にようやく戻ってきても、
その川が堰き止められているところもあるでしょ。
あるいは、水がないところもあるわけです。
by. 桜井章一氏
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サケが生まれた時は川があったんだけど、
今年は水がないとか、
あるいはコンクリートで埋められちゃったとか。
それでも、サケはその川のそばにいるわけです。
上れないのに待っている。
水がないのに上がろうとする。
ここには、
「スケベ心」はまったくありませんよね。
by. 桜井章一氏
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ずるい部分がない。
だったら、水がある川を選べばいいじゃないか、
クマのいない時に遡ればいいじゃないか、
というのが人間の考え方。
それを「能力」と呼び、
そうした「能力」のある人がサラリーマンの世界では偉くなっていく、
ということですよ。
さらに、サケのすごいのは、
もちろん、食べられてしまうことも平気だけれど、
最後の残り屑まで、
全部プランクトンになって、
今度はサケの稚魚に食べられたり、
他の稚魚の栄養になったり……。
by. 桜井章一氏
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そう、水の養分になるね。
それしか、サケは生きられないんですから。
一日三食なんて、あんなこと、
商店街や薬局が決めたようなもんですよ。
ある人類学者の説によれば、
もともと、人類は一週間ぐらい食べなかったそうですよ。
by. 桜井章一氏
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むしろ、一日何も食べなくても平気。
タバコと水があれば、
それでいい。
朝飯も昼飯も
どうでもいいって感じかな。
つまり、一日三食も、
一日八時間の睡眠も、
生活のシステム化の一環だということですよ。
by. 桜井章一氏
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これが「効率」です。
たくさんの人間を少ない人数で管理するには、
そうしたルールをつくればいいわけですからね。
そういう意味のない会話を平気でできるのは、
「そうしたほうが他人とコミュニティがうまくとれる」
という人間の心の中の損得勘定から生まれているんです。
そこには、
問題をなるべく起こさないほうがうまくいくという
「ずるさ」が隠されているわけです。
by. 桜井章一氏
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