どんなに劣勢にあっても耐えていれば逆転のチャンスも訪れる。劣勢は優勢に入る前の段階だ。闘志というのは教えられない

■20年間無敗の雀鬼が明かす 「勝負哲学」 -三笠書房-

どんなに劣勢にあっても耐えていれば逆転のチャンスも訪れる。劣勢は優勢に入る前の段階だ。闘志というのは教えられない

プレッシャーに強い人たちに共通しているのは、
プレッシャーを楽しむことができるということだ。

プレッシャーを感じている自分をそのまま受け入れ、
楽しんでそれと一体感を持てばいい。

「プレッシャーに勝たなきゃ」と勢い込むよりは、
プレッシャーと上手に向き合えばいいのである。

「あいつは強いから勝つんじゃなくて、勝つまでやめないから勝つんだよ」
そう言われるぐらいにねばりがある人というのは強い。


by. 桜井章一氏

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そういう人は、
無制限の勝負だけでなく、
制限がある勝負の場合でも強いのだ。

「勝負をあきらめない」
という勝負の鉄則から考えても当然のことだ。

勝負の流れを的確に読み取ることは大切だが、
それはややもすると
「あきらめの早さ」につながる。

先を読むなどということより、
最後までねばり強く勝負する者が最後には強いのだ。


by. 桜井章一氏

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ねばり強さとは、
言い換えれば、
耐える力を持つということだ。

どんなに劣勢にあっても耐えていれば逆転のチャンスも訪れる。

いつかはチャンスが来る。

そう信じていれば劣勢も耐えられる。
劣勢は優勢に入る前の段階だ。


by. 桜井章一氏

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それを知っていれば劣勢を楽しむ余裕も生まれる。

劣勢を楽しむ余裕があれば、
耐える力も自ずとついてくるものなのだ。

勝負事でも、
技量を超えた次元の勝負をする人たちの場合は、
勝負に入ったとき、
相手の運や自分の運の量が手にとるようにわかるものだ。

麻雀の場合は4人いるから、
この相互作用がとても大事になってくる。


by. 桜井章一氏

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その負けている人がそれなりにがんばっていれば、
ツイている人の運は10より大きくならず、
やがては8や7に落ちていく可能性があるけれども、
負けている人が勝負を投げてしまうと、
ツイている人の運が20にも30にもなってしまうことがある。

麻雀はぐるぐると東西南北を4人で循環していく勝負だから、
1人でも流れをこわす人がいると、
いい勝負はできなくなってしまうのだ。

そこで、なんとか投げやりにさせないために、
負けている人が少し上がれるように仕向けていくということが必要なときもある。

共存共栄というのはたしかにあって、
とくに運という意味においては、
ときには敵をちゃんと生かしたり乗せてあげたりすることも大切なのだ。


by. 桜井章一氏

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勝負の世界において、
「闘志」は大事な要素だ。

闘志はあるけれど能力が低い人間と、
能力はあるのに闘志があまりない人間がいるとしたら、
最終的に伸びるのは闘志がある人間のほうだというのが私の実感だ。

「能力がある」と言うのは、
大方、技術的なことだ。

技術的なことは、
がんばればどうにでもなる。


by. 桜井章一氏

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しかし、闘志というのは教えられない。

「やる気を出せ。闘志を見せろ」
といくら言ったところで、
闘志は身につくものではない。

能力や才能がある人間に育てることはできても、
闘志がある人間に育てるというのは不可能と言っていいほど難しい。

闘志がある人間であれば、
最初はヘタクソでセンスもないと思っていても、
あるとき、飛躍的に伸びるということがよくある。


by. 桜井章一氏

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そういう人間は一流になる可能性を持っている。

負けても負けても、
何度も何度もチャレンジしていくということが闘志の始まりだ。

無謀、無茶、
計算外のことをするのはバカだという価値観が出来上がってしまったからだ。

しかし、「勝負に勝つ」とか「強くなる」ということは、
実は計算では成り立たない世界なのだ。


by. 桜井章一氏

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■精神力 ―強くなる迷い― -青春新書- 多くの人がふだんの生活で闘う意志を持たず、 すぐに守りという領域に入り込み、堂々と...

麻雀は数合わせのゲームだと思われているかもしれないが、
数にこだわる人間は強くなれない。

「麻雀は確率の勝負だ」などというのは大間違いで、
実際は確率とか数字を超えたところで勝敗が決まる。

私は「麻雀を1枚の絵としてとらえる」
という話をしたが、
それは麻雀を全体的にとらえて、
その流れの中で勝ちを引き寄せるために「数」以上に大事なことがあると気づいたからである。

数、つまり、
計算が先に立たないから闘志も湧く。


by. 桜井章一氏

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麻雀と同じように、
実はこの社会も計算以上に大事なことがあり、
それが勝ち負けや様々なことに大きな影響を与えている。

これは彼ら(経済学者やアナリスト)が無能だとかなんだとかということではなく、
数字というのはそもそもそういうものなのだ。

計算などせずに、
これと思ったものに真っ直ぐに立ち向かっていくところにこそ、
活路がある。

そのとき、活路を進んでいくために必要なのが闘志なのである。


by. 桜井章一氏

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日常生活の中で、
知らないことやこれから起こることを当てるゲームをするのだ。

知識も情報もまったく入り込まないようなことを当てるのだ。

つまり、勘だけを頼りに当てていくゲームをくり返すのだ。

すぐに答えが出るようなことを問題にして、
どんどん当てていくのだ。


by. 桜井章一氏

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■精神力 ―強くなる迷い― -青春新書- それともうひとつ大切なことはバランス感覚ですね。 豊かであることも、極端な貧乏...

みんな「当てる」というと、
競馬やパチンコのよく出る大を当てたいとか、
何か利益になるようなことを当てようと思っている、
そういう欲がからむことではトレーニングにならない。

日常生活にあることの中で、
損にも得にもならないことを当てていくのがいいのだ。

それを楽しんでやってみる。

勘というのは、
情報や知識を超えた力を働かせなければ当たらない。


by. 桜井章一氏

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ふだんはそういう力を使っていないから、
もうその力は失われている。

しょっちゅう使っていると、
その力が戻ってくるのだ。

そうすると徐々に当たるようになってくる。

麻雀にしてもそうだ。
情報に頼る人よりも勘がさえた人が勝つ。


by. 桜井章一氏

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そんな間違った手順を情報として受け入れて、
そこから判断したら、
これは判断ミスをするに決まっている。

絶対に間違いのない情報というのがこの世にどれだけあるか知らないが、
間違っている情報を頼りにして判断していたら、
それは判断を間違うに決まっている。

はなから間違っているものをありがたがっているよりは、
勘が当たるように鍛えておいたほうが、
勝利に近づけるのだ。

いわゆる「楽天的」というのは悪いことではない。


by. 桜井章一氏

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