■20年間無敗の雀鬼が明かす 「勝負哲学」 -三笠書房-
自分で選んだものは大切にする。その心があれば、修正力は強くなるはずだ。自立というのは、「準備・実行・後始末」がきちんとできていて、悪いことに抵抗を感じることだ
もし、私がそこでいやな思いをして
「いやだ、いやだ」とそればかりに執着していたら、
そのいやなことが自分の周りの大切な人たちのところへ行ってしまうし、
私がいやで辛くて苦しい思いをしていると知ったら、
娘だって辛い思いをしてしまう。
私のところでいやなことを消してきれいな流れにしておけば、
私の周囲の人たちは汚れなくてすむ。
これは「海の水をきれいにするためには山をきれいにする」
という話と同じだ。
山に木を植え、育て、
山の土をきれいにして、
山から流れる水をきれいにしなければいけない。
by. 桜井章一氏
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そして、そこに吹く風をきれいにしなければいけないのだ。
海をきれいにしたいといって、
海だけに執着していては修正できない。
海、山、川、空、全体を見渡してはじめて修正できるのだ。
たとえば、腕のいいマッサージ師は
「患部は患部のみ」ということを知っているから、
肩が痛い患者がいても、
肩だけを揉むというということはしない。
by. 桜井章一氏
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体全体のバランスが崩れているから肩が痛くなっているということを察知し、
体全体をほぐしていきながら肩の痛みをとっていく。
自分の状況が悪いときは、
悪いところだけにこだわっていたら修正できない。
もっと広い範囲でとらえて全体のバランスを見渡すことができれば、
まず先に直さなければいけない箇所が見えてくるはずだ。
by. 桜井章一氏
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誰でもいまの自分が持っているものには2種類ある。
それは「自分自身で選んだもの」
と「誰かにもらったもの」の2つだ。
その2つのうちで、
大事にしなければいけないのは
「自分で選んだもの」だ。
「誰かにもらったもの」
は必要であれば持っていればいいし、
そうでなければ捨てればいい。
by. 桜井章一氏
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雀鬼流とは何かといえば、それは
「麻雀から悪いものを省いていこう」と試みた結果、
生まれたものだ。
麻雀の中の悪いものといえば、
その最たるものが、
今日の絶対的価値とされる「政治経済」だった。
麻雀から政治経済という観念を全部捨ててみたらどうなったか。
答えは、「いいもの」しか残らなかったのである。
自分で選んだものは大切にする。
その心があれば、修正力は強くなるはずだ。
by. 桜井章一氏
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「人のことなんかかまっていられない」と、
内向きになって、
どんどん萎縮して視野が狭くなり、
他人に関心がなくなっている。
これでは、どんなに本人はがんばっているつもりでも、
状況はよくならない。
視野が狭ければ、
チャンスもひらめきも生まれないからである。
けれども、私に言わせれば、
それは不調や不況になったから自分のこと以外に目を向けられなくなったのではない。
by. 桜井章一氏
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それは今にはじまったことではなく、
好調だ好景気だと言っているときから、
自分のことしか見ていなかったのだ。
景気がよかったり順調だったときは、
みんな元気にがんばっていたかもしれないが、
それはすべて自分のためにがんばっていたのであって、
だれか他の人のためではないのだ。
周りがよく見えていたような気がしても、
もとから自分のことしか見ていなかったのだ。
このごろよく「自立」とか「自己責任」
という言葉を聞くが、
これもまた自分のことだけを考えている人が増えている結果だ。
by. 桜井章一氏
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自立というのは、私の言葉でいえば
「準備・実行・後始末」
がきちんとできていて、
悪いことに抵抗を感じることだ。
そうすれば、自分には余裕があるから、
余裕がなくて困っている人のことに目が行くはずだ。
余裕がない人や困ってる人に手をさしのべることができる人が、
本当に自立している人だ。
いま、自分がここで順調に立っていられるのは自分だけの力ではない。
by. 桜井章一氏
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それをわかっていれば、
自立できていない人を助けることが本当に自立している人の務めだということに気づくはずだ。
強い人間というのは、
自分が好調だろうが不調だろうが、
他人のことが見えているし、
他人に手をさしのべることができる。
それは、不調だからといって精一杯になってしまうと、
ますます自分が小さくなることを知っているからだ。
「あの子、買ってあげたら喜ぶだろうな」
と思った瞬間に残りの金をはたく。
by. 桜井章一氏
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それで1人の子どもの笑顔が見られるならば安いものだ。
そうして人を喜ばす力があってこそ、
はじめて自立なのである。
自信を持って臨めるような準備ができたうえで自信を持つのは結構なことだが、
その準備もないのに、
景気づけのように自信を持っているとしたら、
それは過信でしかない。
自信など、あってもなくても強い者が勝つ。
by. 桜井章一氏
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そもそも「自信」などということは頭の中になくてもいいということなのだ。
勝負においては、
自信よりもずっと大切なことがある。
それは、「不安をなくす」ということだ。
不安がなければ、
その人が勝負に臨む心の状態は良い。
by. 桜井章一氏
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つまり、「自信を持ちたい」
ということを目標にしていくのではなく、
「不安をなくす」ことを目標にすれば、
結果的に自信はつく。
自分の力もよくわからないのに、
自信だけ求めるから過信になる。
そんなニセモノの自信はいらないということを私は言っているのである。
常日頃から「準備・実行・後始末」
を怠りなくやっていれば、
不安なく勝負に臨めるはずである。
by. 桜井章一氏
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プロ野球に入るぐらいの選手なのだから、
素質は最初から持っている。
そういう相手には、
技術や理屈よりも、
ガッツを出す状況をつくってやることのほうが大切なのだ。
根性のない人間は、
根がない草花と同じでまったくダメだと私は思っている。
ただし、ガッツが表に出てきて、
勢いで勝っている者は、
直線的な動きには強いが、
斜めや横、曲線的な動きには弱い。
by. 桜井章一氏
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つまり、ちょっとした変化に弱い。
それは柔軟性がないからだ。
こういうのは、
勝負師としては非常に壊れやすい。
根性というのは、
字のとおり根っこである。
木や草は、この根があるから生きられる。
根がなければ、
水も栄養も補給することができない。
by. 桜井章一氏
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