■20年間無敗の雀鬼が明かす 「勝負哲学」 -三笠書房-
強い人間とは、決して準備を怠らず、成し遂げ、後始末をおろそかにしないものだ。つまり、「間に合う」ということだ。流れに乗るために大事なことは何か。それはまず自然体であることだ
イチローの循環は、
言い換えれば「準備・実行・後始末」がしっかりできているということだ。
強い人間とは、
決して準備を怠らず、成し遂げ、
後始末をおろそかにしないものだ。
つまり、「間に合う」ということだ。
「準備・実行・後始末という円の循環を
「間に合う」ようにやっているのが、
イチローという選手なのである。
by. 桜井章一氏
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たしかに得意技を持つことは、
勝負において強みなる場合も少なくない。
何も得意技がない人よりは
「このパターンになったら負けない」
という型を持っていれば、
勝機のうかがい方も覚えるだろうし、
型を持つことが自分の自信になる面もあるだろう。
「型にハマれば強い」というのは、
その型で戦えなければ、
からっきし弱いということだ。
常に状況が変化している中で、
その型になるのをじっと待っているだけでは、
いつまでたっても本当に強くはなれない。
by. 桜井章一氏
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雀鬼流の考え方の核心のひとつは
「変化に強くなれ」ということなのだから、
型にこだわることはむしろタブーなのである。
雀鬼流で重要なのは、
型ではなくそれ以前の「基本動作」なのだ。
私には「変化」を教えてくれる師匠がいる。
それは自然だ。
自分の姿を変えるもの、
潮の流れや気流に応じて体勢や動きを変えるもの、
生きることは変化することそのものだということを彼らは体現している。
by. 桜井章一氏
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相手のために麻雀を打つ。
私は常にそういう心構えで麻雀をしてきた。
勝負に生きる者は、
相手を大事にする心がなければ強くなれないのだ。
麻雀であれば、
「どうぞ、上がってください」
野球であれば、
「どうぞ、打ってください」
他の勝負や仕事でも、
「どうぞ、あなたが勝ってください」
「どうぞ、あなたが成功してください」
「どうぞ幸せになってください」
そう思って臨めば、
その勝負は勝てる。
by. 桜井章一氏
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自然の状況、
社会や人々の状況の変化に応じて変わらなければ、
そこで行き詰まってしまう。
仕事のやり方にせよ、
思考回路やライフスタイルにせよ、
決まったとおりにしていれば安心できるかもしれないが、
そこにこだわりすぎて変化に対応できなくなってしまうと停滞してしまうのだ。
流れに乗るために大事なことは何か。
それはまず自然体であることだ。
この世の流れのいちばん大きなものは自然だ。
by. 桜井章一氏
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風が流れ、川が流れ、
潮が流れ、雲が流れる。
この自然界の流れにかなう人間はひとりもいない。
人間にとっての自然体とは、
素直であることだ。
素直に生きていれば、
その人は流れに乗ることもできる。
by. 桜井章一氏
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違和感のあるところには決していい流れはこない。
ウソをつく、ごまかす、
言い訳をする、人を裏切る、
そういうことをしている人には流れがこないのだ。
知識が増え、
プライドばかり高い人というのは、
物事を斜に構えてみたり、
他人の言うことを素直に受け止めなかったりするものだが、
それはすでに姿勢が傾いていて自然体から離れてしまっている。
流れに乗るために大切なことは、
頭を使って情報を集めて流れを読もうとする前に、
まず素直であらねばならないのだ。
by. 桜井章一氏
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では、どういう人が流れを感じとることができるのか。
敏感か、鈍感か、ではなくて、
流れを感じとる準備ができているかどうか。
そこに大きくかかっている。
つまり、仕事でも日常生活でも、
常にちゃんと「準備・実行・後始末」というワンクールができているかどうかということである。
by. 桜井章一氏
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悪いのは鈍感ではなくて、ズボラ、
怠惰なのである。
「その場がきたら、しっかりやるよ」
「あとでやれば大丈夫だよ」
と言っている人は、
絶対に流れに間に合わない。
流れというのは「あとでくる」ものではないし、
「さあ、これからくるよ」
と予告してくれるわけでもない。
それは咄嗟に、あるとき、
音もなくやってくる。
by. 桜井章一氏
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いわゆる「グッドタイミング」というのは、
みんなが考えているよりも、
もっともっと瞬間的なことだ。
その瞬間に間に合わなければ、
流れに乗ることはできない。
勝負はほんの一瞬に決まるのだ。
私の言う勝負の三要素
「時・変化・相互作用」の「時」
というのはそういうことも含まれている。
by. 桜井章一氏
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大事なのは「今」なのだ。
勝負の流れの中では
「過去にとらわれず、未来に期さず」
という心構えを持たなければ負けてしまう。
未来というのは今が作るものだし、
過去を作ってきたのも結局、
今の自分なのだ。
素直な心で流れを受け止め、
今という瞬間に勇気をもって行動すれば、
それがグッドタイミングになり、
運になる。
by. 桜井章一氏
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流れというのは、
言い換えれば運ということでもある。
そこには「これは損か、得か」などという邪心が入る隙間はない。
日頃から準備さえしていれば、
瞬時に素直で正しい動きをするのは難しいことではない。
そうすれば、決して間をはずして流れを見逃すこともないはずである。
by. 桜井章一氏
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大きな流れもそうだし、
その人個人個人の流れというのも、
いろいろな形があるのだ。
それは運にもいろんな形があるのと同じで、
人それぞれに違う。
人それぞれに顔も能力も違うように、
運にも流れにも違いがある。
流れの速度も違うし、
訪れる大きさや回数にも違いはある。
by. 桜井章一氏
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流れがひとつだと思ってはいけない。
あとからまた違う形の流れがきたときに見逃してしまうからだ。
流れというのは常に形を変えてやってくる。
それを知ることが、
準備の第一歩なのだ。
by. 桜井章一氏
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