■子どもを幸せにする親、ダメにする親 -成美堂出版-
本当に伝わる教えとは、言葉で明確に教えるのでなく、体の深いところで感じていくものではないかということです。ただ、最善の方法をやり抜くためには、人としての強さが求められる
「二度と破るんじゃない」
という言葉が子どもを追い込むから、
むしろちょっとかわいそうだなと思うのです。
私は、息子が悪さをして、
学校から何回か呼び出されたことがあります。
しかし、そのことで息子に怒ったりしたことはありません。
息子が万引したときは、
「そりゃあんまりよくないな。
店の人が困るかもしれないぜ」
とだけ言って、
怒鳴って叱るようなことはしませんでした。
by. 桜井章一氏
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ですから、怒る資格などそもそもありません。
ただ、そのようなときは、
「二度とやらない」と言わせるのではなく、
二度目にやるまでの期間を延ばしてあげるようなこと言いました。
「またどうせやるんだろう。
だけど一ヵ月は我慢しな」
と言い聞かせるのです。
そんなことを繰り返すうちに、
子どもは悪いことをあまりしなくなりました。
by. 桜井章一氏
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男らしさを入れるといっても、
特別のメニューを施したわけではありません。
ただ、道場生の中でいちばん感性豊かだと思う子をひとり連れて行き、
一緒に孫と過ごしてもらったのです。
イチゴケーキを選んだものの、
あまり食欲もなかったので、
一服してから食べようと自分の部屋に戻っていたら、
孫が「ケーキのご用意ができました」と、
あらたまった言い方で伝えに来たのです。
こちらも「承知しました。早速行きます」
と冗談っぽく答えました。
by. 桜井章一氏
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テーブルについたら孫は私の前に座って、
フォークを持っていきました。
早く食べたいはずなのに彼はなかなか手をつけません。
周囲の大人はすでに食べ始めています。
私がケーキにフォークを入れると、
ようやく孫も食べ始めました。
by. 桜井章一氏
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あらためて思うのは、
本当に伝わる教えとは、
言葉で明確に教えるのでなく、
体の深いところで感じていくものではないかということです。
それは孫が私と一緒にいて、
私の言動に触れる中から何かを感じてそうなるんだと思います。
「ごめんなさい」と「ありがとう」。
このふたつをいつも用意し、
それを素直に言うこと。
by. 桜井章一氏
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生きる上で、これさえあれば人として十分じゃないかと思います。
まず大人が「ごめんなさい」と「ありがとう」
をちゃんと言える人間になるべきです。
子どもは世の中の裏切りや冷たさを知りません。
子どもたちを取り巻く世界の汚さ、
不正をいつも感じているから、
それに対しすまないなと本当に思ったのです。
by. 桜井章一氏
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本当に十分なものを、
大切なものを私は小さな孫からもらっていると思います。
彼らのほうか結局はいろいろなものをいただいているんです。
世のたいがいの教育は足し算の発想でなされています。
能力をつけるとか、
社会性を身につけるとかプラスのものを重ねていくことにひたすら主眼がおかれています。
by. 桜井章一氏
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片や私の教育観は、
むしろ引き算を重ねていくことで大事なものに気付いたり、
学んでいくということを基本にしています。
この本でも繰り返し述べてきたように、
私は「絶対」だとか「すべき」という考え方をしませんし、
そうすることに疑いを持っています。
断言してしまった瞬間に、
見失ってしまう大切なことがたくさんあると思っています。
この世に「絶対」ということは何ひとつないのです。
by. 桜井章一氏
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絶対的な「答え」などどこにもない。
しかしながら、家庭や学校で行われている教育は往々にして、
絶対的な「答え」があるものとして行われています。
なぜなら、本書でも述べたようにそれはオーダーメイドの教育だからです。
それは、答えを求める過程そのものが答えであるという教育なのです。
by. 桜井章一氏
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■結果を出す技術 -宝島社-
「負けたら消されるかもしれない」
代打ちの世界は結果がすべてだった。
勝ちさえすればいい。
勝つためには何をしてもいい。
結果至上主義の世の中ではとかく結果だけが重要視され、
経過のほうは軽く見られがちである。
しかし、”いい結果”は”いいやり方”についてくるものである。
by. 桜井章一氏
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”悪いやり方”の後に本当の”いい結果”はついてこない。
「結果も大事だけど、やり方はもっと大事なんだよ」
それを若者たちに伝えたくて、
私は雀鬼会を立ち上げた。
ただ、最善の方法をやり抜くためには、
人としての強さが求められる。
卑怯な手段、
汚い手段をとってしまうのは本人の弱さが原因なのだ。
by. 桜井章一氏
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やり方がよくても、
思うような結果にならないことはままある。
しかし、その過程で得た経験は次に必ず生きてくる。
過程を蔑ろにしたそのツケは、
いつか”悪い結果”として巡ってくるものなのだ。
我々人間は男と女という、
相反するものが交わることでこの世に生まれてきた。
by. 桜井章一氏
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相反するものが組み合わさることで新たなものを生み出すのは、
何も生物の世界に限った話ではない。
相反するものを組み合わせる感覚を持っていると、
勝負に勝ったり、
仕事で成果を上げたりすることができる。
どちらか一方の偏ってしまうような生き方をしていたら、
今の私はきっとなかっただろう。
今の人たちは物事を善悪、
常識・非常識といったものですぐに白黒をつけたがる。
by. 桜井章一氏
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安心、安全な世界にどっぷり浸かっていると、
グレーゾーンにいることが不安で不安でしょうがない。
白か黒かのラインを引き、
その一方に落ち着いていれば安心で楽なのかもしれないが、
その偏りが人間のみならずこの社会のバランスをの崩していることに、
殆どの人が気づいていない。
シーソーの原理ではないが、
私はどちらかに偏ることがないよう、
善も悪も、常識も非常識も、
常に二股をかけるような意識を持ってやってきた。
たとえ「こっちのほうがいいな」と思っていても、
悪いほうにも多少の重心を残しておく。
by. 桜井章一氏
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