楽で簡単な一つのテーマしかない時より、4つも”意味”を持って打ち進める方が、やりがいがあるじゃない。こういう流れを引き寄せる”流れっ牌”というか、大切な意味を持つ”意味っ牌”ってのは大事にしなきゃいけないんだよ

■雀鬼・桜井章一の究極奥義 無敗の手順 -竹書房-

楽で簡単な一つのテーマしかない時より、4つも”意味”を持って打ち進める方が、やりがいがあるじゃない。こういう流れを引き寄せる”流れっ牌”というか、大切な意味を持つ”意味っ牌”ってのは大事にしなきゃいけないんだよ

うん、俺はこれをパッと見て、
4つのことを瞬間的に考えるわけだ。

まずアヤッ牌の八筒。

それから1枚ポツンと浮いていてネックになってるドラの八索。

それから、小四喜のキー牌南牌の動き。


by. 桜井章一氏

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あと最後は、
自分の風牌であるダブ東牌の出。

この4つだけを意識に入れて打っていく。

配牌がどう伸びていくかってのは別問題で、
この4つの牌の動きがテーマ。

それだけを捉えて打っていこうって局面なんだ。


by. 桜井章一氏

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そんな風に意識・思考を最初から4点くらいに置いておけば、
何か一つのことに囚われて、
途中の変化に気付かずミスを犯す、
なんてこともなくなるんだよ。

楽で簡単な一つのテーマしかない時より、
4つも”意味”を持って打ち進める方が、
やりがいがあるじゃない。

これ(アヤッ牌)は字牌の第一打と同じように、
疎かには扱えない牌。

簡単に手放すと、
流れまで失うことになるんだよ…。


by. 桜井章一氏

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さっき言った4つの牌以外は、
どれも二の次、三の次。

同じ要らないんなら変な色気を起こさないようにと、
八萬から先に切って行ってるって形だね。

それで俺のこの八萬、五萬という捨て牌には、
対子型と一色の匂いが表れてるよね。

小田にとって南牌は自風だから、
他の役牌はもう持ってないってことだな。


by. 桜井章一氏

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もしも他の役牌が対子であったら、
南牌も重ねようと思ってまだ放さないでしょ。

だからあってもポツンと1枚とか、
あるいは暗刻で持ってて尚かつ手も揃ってるとか…。

だけどどっちにしても早そうだね。

しかも相方の役牌(対子)は持ってないわけだから、
面前の手になるだろうね。


by. 桜井章一氏

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いつも言うように、
麻雀ではこういう1・9牌の切り出しから入れるのが一番良いんだから。

この八筒を活かすことが第一の目標だったわけだから、
早くもその第一段階をクリアしたって形だね。

こういう流れを引き寄せる”流れっ牌”というか、
大切な意味を持つ”意味っ牌”ってのは大事にしなきゃいけないんだよ。

これは小田の2巡目の南牌を見て、
そのスピードに対抗して行ってるんだよ。


by. 桜井章一氏

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それに、もし小田がリーチと来たとしても、
東牌や北牌は小田には不要牌なんだから、
ツモ切ってくれて、
それを俺は叩いて行けるでしょ。

こんな風にオタ風から鳴いていく時ってのは、
相方がいると覚えておくといい。

前回も、村瀬がオタ牌の西牌を叩いた時、
手の内にはドラの六萬の対子があったでしょ…。

今回の俺もダブ東牌と北牌の対子が手の中にあるよね。


by. 桜井章一氏

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「オタ風ポンの裏に相方あり」と。

うん、この五筒切りってのは、
“見切りの一打”なんだよ。

この後八筒を重ねたり、
あるいはドラの八索を持ってきてのトイトイを見てるんだ。

だから三筒-六筒の両面形を残さず、
意志を込めて対子系の形に持っていってるんだ。


by. 桜井章一氏

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で、この先、
もしも南牌を引いてくるようなら、
四筒の2枚を払っていくことまで視野に入れつつね…。

だけど南牌を1枚引いたら、
直ちに四筒を払っていくってわけじゃあない。

その場その時の状況に合わせて打ち進めていくってことだよ…。

これで最初に掲げた目標の一つ、
アヤッ牌を活かすってのが達成できたね。


by. 桜井章一氏

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結果的に(一巡前に發牌を手放していると、この七筒は村瀬さんにながれていた)見切りの五筒の一打が功を奏する形になったでしょ。

だからこの七筒を俺がツモれたってのは、
とっても大きな意味を持つんだ。

前局、前々局と八筒を使って和了ってたわけだけど、
これは天運(自然の流れの良さ)の占める比重が高かった。

でも、この局はアヤッ牌を最初から意識して、
大切にしたおかげで1メンツが出来たんだからね…。


by. 桜井章一氏

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これは地運が入り込んできてるってことだよ。

よく俺が
「この ペン 三萬は一発でツモるぞ」
なんて言ったら、
その通りになることがあるでしょ。

それはこの ペン 七筒みたいな場合なんだよ。

ここまでのお荒れの捨て牌は、

八萬、五萬、一萬、五筒、(發牌)

に、西牌ポンでしょ。


by. 桜井章一氏

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当然村瀬は俺の手をソーズの一色と読むはずだよね、
ドラの八索を抱えた…。

それでも下家の俺に向かって五索をノータイムで飛ばしてきてるんだから、
かなり手が揃ってるってことだよ。

アヤッ牌の八筒を軸にシュンツの1メンツが出来たわけだから、
もうここでは対子の形にこだわる必要はなくなった。

そこで両面の方に切り換えていってるんだね。


by. 桜井章一氏

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それから、南牌の意味も少し薄くなってきている。

この形になれば、
後は目標の ダブ東牌が鳴けるかどうか、
にほぼ絞られたといってもいい。

勿論、南牌を持ってくれば、
四筒、五筒外しも考えるけど、
それは欲張り過ぎ。

ダブ東牌さえ叩ければOKの局面になってきてるってこと。


by. 桜井章一氏

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で、俺が次巡また六索をツモ切って、
その同巡に村瀬は打 四索。

これは振り込み覚悟で来てるね。
ほぼテンパイか悪くてもイーシャンテン。

それから二萬、一萬を払ってきてるってことは、
途中から親落としの手に移行していったんだね。

マンズの一色のペン 三萬より和了りやすいピンズの両面形、
例えば赤 五萬に六萬がくっついた形みたいなのを手に残したんだろうね…。


by. 桜井章一氏

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