■「勝負強い人間」になる52ヶ条 -三笠書房-
強さというものは、日常のそういうことの積み重ねの中から起きたことなのである。その積み重ねとは、素直、正直、勇気、変化、自然
敵に「どうぞ」と言えることが、
本当の余裕なのだ。
そういうときは相手のことがよく見えるし、
全体の流れもよく見える。
自分がやるべきことの的も外さない。
だから勝つことができる。
本当の余裕というのは、
自分のことだけではなく、。
戦う相手のことをも思いやる気持ちなのである。
by. 桜井章一氏
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まだ鍛錬も実力も不十分なのに、
ただ相手に「どうぞ、どうぞ」と言っていれば勝てるというわけではない。
勝つための「準備・実行・後始末」を日頃からしておいたうえで、
敵に「どうぞ」と言えるのが余裕なのである。
私自身は修羅場を修羅場と思っていない。
私はそれを楽しんでいるのだ。
心技体が充実していたからこそ、
怖いという気持ちが起きなかったのかもしれない。
「若い」というのはそういうことだ。
ただし、今その頃の自分のことをあえて分析してみると、
修羅場を修羅場とも思わなかったからこそ、
心が揺れることもなく勝負に入れたのだろう。
by. 桜井章一氏
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修羅場というのは、
「自分の可能性を超えた領域」とでも言えばいいだろう。
つまり、修羅場とは、
そこに臨む覚悟とか度胸といったものを新たに身につけられる場所でもあるわけだ。
自分の可能性とか限界を決めているのは、
結局のところ自分の脳だ。
だから、人間はふだん自分の脳で考えて
「ここが俺の限界だ」と思ったところで止まってしまう。
by. 桜井章一氏
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しかし、もし否応なしに修羅場に入ってしまったとしたら、
そこは自分の限界を超えた領域なのだから、
自分を超えた体験ができる場所なのだ。
この体験ができれば、
その人にとって、
そこはもう限界ではなくなっている。
ひとつのことに打ち込んでいるときに、
麻薬も酒もないのにハイな状態になって特別な力が湧き出る。
言うなれば
「火事場の馬鹿力」だ。
修羅場というのは、
そういう力を引き出してくれる場所でもあるのだ。
by. 桜井章一氏
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欲が働かない。
こういう状況では雑念などないから勘が働きやすいのである。
自分やみんなが何の得にもならないことで楽しめるときならいいが、
欲のために当てるのは、
自分の中に不純な要素をひとつつくってしまう。
つまり、弱くなる要素をつくってしまうことになるのだ。
競馬にしろラスベガスにしろ、
私はその場で「勝とう」とか「儲けよう」
という勝負をしているわけではなく、
長い間、自分が築いてきたものが、
たまたまそういう場所でそういう結果を生んでいるだけなのだ。
by. 桜井章一氏
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麻雀で誰にも負けない人間になるためにはどうすればいいか、
真に勝負に強い人間であるためにはどう生きればいいか。
強さというものは、
日常のそういうことの積み重ねの中から起きたことなのである。
その積み重ねとは、
素直、正直、勇気、変化、自然といったものだ。
そして、
その中のひとつが運であり勘であるわけで、
それらを鍛えるためには、
道場の子たちのくじを当てて喜んでいるぶんにはいいが、
競馬やラスベガスで多額の現金を手にして喜んではいけないのである。
by. 桜井章一氏
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自分がいい状態のときは誰でも勝てる。
問題は、自分が悪い状態に陥ったときに、
それをいかに修正して勝つか。
当然のことだが、
修正力の前提は、
まず自分の状態がいいのか悪いのかを判断する能力、
つまり状況に対する「自覚力」がなければいけない。
それは「勝っているからいい」「負けているから悪い」
という結果からの判断ではなくて、
勝ち負けや戦況にかかわりなく、
自分の状況を的確につかめるかどうかということだ。
by. 桜井章一氏
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高いレベルの人は、
「これは直さなきゃいけないな」
ということを素早く直感することができる。
そうして早めの修正をすれば、
もとのいい状態を保ったり、
仮に悪い状態に入っても、
まもなく修正することができる。
現代人は、
こういう修正力が非常に弱くなっている。
それは生活の中で「ものを直す」という行為を忘れてしまったからだ。
by. 桜井章一氏
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最近では、
さらにご丁寧にカーナビというものが出てきて、
ますます人げの方向感覚や軌道修正する能力が欠落してしまった。
「ああ、便利だなあ」と言っているうちに、
人間は巣に帰るという、
動物のもっとも大切な本能さえ失ってしまったのだ。
昔の人にはそういう能力がちゃんとあった。
月や星を見て自分の位置や行き先を察したり、
雲や木々や動物の様子を見て明日の天気がわかるという生活をしていた。
by. 桜井章一氏
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当然、それは道や天気を知るだけでなく、
人間を知る力でもあった。
そして、自分自身を知る力でもあった。
しかし、文明の発達とともに、
人間は生きるための力を失った。
方向感覚を取り戻すことが
「修正力を強くする」ことなのだ。
by. 桜井章一氏
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初心者は知識も情報も何もないおかげで、
シンプルに考えているから勝てるのだ。
だんだんキャリアを重ねて、
勝つということと負けるということの理屈が少しずつわかるようになってくると、
今度は簡単に勝てなくなってくる。
それは難しさを覚えてしまって、
複雑に考えるようになってしまうからだ。
最初のときのようにシンプルに判断することができなくなり、
複雑さの中に入り込んで迷ってしまうのだ。
by. 桜井章一氏
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当然ながら、
ビギナーズラックは長続きしない。
ビギナーでなくなってしまうと
「複雑に考える」という壁に当たる。
そこを乗り越えてまたシンプルに考えることができるようになってくると今度は強くなる。
しかし、どんな分野においても、
キャリアを積めば積むほど難しい方向へいくのが人間の常だ。
by. 桜井章一氏
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人が「学ぶ」ということは、
あらかじめそういう方向へ向かうことを意味している。
それでもなお、
シンプルに戻れるかどうかが大きなポイントだ。
言ってみれば、
童心に帰ることができるかどうかである。
子どもはいつでもシンプルに考えることができる。
by. 桜井章一氏
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だが、難しい勉強を覚え、
「世の中はそんなに単純じゃないんだよ」と教えられ、
複雑化して大人になる。
もし、どんなに学んでも童心を失わなければ、
これは強い。
私はこの童心を取り戻すために、
夏休みを1ヶ月とって遊びに出かける。
大人の理論で暮らしていると、
童心に帰りようもない。
by. 桜井章一氏
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