信頼関係というのは、「作る」のではなく、余計なものを「取っていく」ことでできるのです。私の思う強さとは、心に軸を持つことです

■「頑張らない」から上手くいく -講談社-

信頼関係というのは、「作る」のではなく、余計なものを「取っていく」ことでできるのです。私の思う強さとは、心に軸を持つことです

子どもの心を強くしたいのであれば、
まず親が強くなる必要があります。

大抵のことは、「大した問題じゃないんだよ」
と言ってやれる強さです。

今の世の中は何かあるとすぐに責任問題に発展します。

その被害者意識がある限り、
人が強くなることはありません。


by. 桜井章一氏

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親が強くなりたいなら、
まずは我が子の起こしたことの責任をすべて受け入れる覚悟を持つ必要があるでしょう。

バランスのとれている心は決して折れるようなことはないのです。

信頼関係のない親子には大きな壁がたちはだかっています。

親子の壁を取り払うには、
親の側が素の状態ととなって子どもと接することが一番です。


by. 桜井章一氏

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親としてしっかりしている部分を見せながら、
時にはバカをやったり、
ダメなところも子どもに見せていく。

そういったことを続けていく中でこそ、
子どもとの信頼関係が育まれていくのです。

でも、子どもに壁を作られてしまった親たちは、
私から見ると大きな勘違いをしているような気がします。

多くの親御さんは「信頼関係は築くもの」
と思っていないでしょうか。


by. 桜井章一氏

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信頼関係というのは、
「作る」のではなく、
余計なものを「取っていく」ことでできるのです。

余計なものとは、世間体だったり、
体裁だったり、面目だったり、
プライドだったり。

そうしたものを「取っていく」ことで、
子どもとの信頼関係は少しずつ生まれてきます。

まずは親の側が、
社会を生きていくために身につけてしまった余分なものを取り払い、
できるだけ素の状態に近くなって子どもと接するようにするべきでしょう。


by. 桜井章一氏

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親子の関係というのは、
子どもの成長とともに変化していくものです。

幼い頃は友達のような横の関係でいいでしょう。

でも、思春期を過ぎたあたりからは師弟のような縦の関係を持つことも大切なポイントです。

縦軸だけになってもいけないし、
横軸だけになってもいけない。


by. 桜井章一氏

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臨機応変に縦と横の関係を子どもに見せていくことが大切です。

親子の関係では喜びも怒りも、
隠すことなく出していくべきだと思います。

怒りも否定することなく、
しっかりと認める感覚を持つべきです。

ただ、怒りを表したとしても、
最終的にはそれを笑いで包み込むような感覚を持つことも重要です。


by. 桜井章一氏

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叱るなら、「嫌うなら嫌ってみろ」
くらいの気持ちがなければいけません。

親自身が中途半端な生き方をしているのなら、
嫌われて当然です。

しかし、親としてある程度筋を通してやっていて、
その上で嫌われてたとしてもその筋を曲げる必要はまったくないのです。

「ご機嫌いかがですか?」
という挨拶のように、
相手の機嫌を伺うだけならいいですが、
子どもの機嫌をとる、
つまり媚びるような接し方は子どもの生き方をも曲げてしまいかねません。


by. 桜井章一氏

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親がそういった曖昧な態度を続けていくと、
子どもはだんだんと親を信用しなくなります。

そうならないようにするには、
親は筋の曲がることのない、
しっかりとした軸を持っていなければなりません。

心が折れてしまうのは、
心が一本の棒のようになってしまっているからでもあります。

心を棒にしてしまう大きな原因は固定観念です。


by. 桜井章一氏

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固定観念に囚われた心は柔軟性を失い、
折れやすくなってしまいます。

心を柔らかくしておくには、
「世の中のあらゆることは変化する」
と常日頃から思うようにすることが大切です。

物も人も心も、
常に変化しています。

その変化にいかに対応していくか。
それこそが「生きる」ということです。


by. 桜井章一氏

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恨みや僻みや、
妬みを持つ人というのは、
ひとつのことにしがみついているのです。

現代社会の強さとは、
ひと言でいえば「権力」です。

つまり、今の世の中で「強くなれ」というのは、
そのほとんどが「権力を持て」
と言っているようなものなのです。

今の世の中で求められている強とは、
要するに権力を手にするために、
いかに多くの武器を獲得するか、
ということなのでしょう。


by. 桜井章一氏

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そうやって現代人はいろんな武器を身につけていくのですが、
そのために人間が本来持たなければならない「強さ」とはまったく違う方向に行っています。

武器を身につければつけるほどその動きは鈍くなり、
変化に対応することもままならなくなっていくのです。

現代人が武器として身につけている多くのものは、
本当は人が生きる上では必要のないものと言えます。

つまり武器として抱えているものの多くは重石でしかありません。


by. 桜井章一氏

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現代人は、そんな「見えない重石」
を背負いながら生きているようなものなのです。

私から見ると、
現代人は強くなろうとした結果、
反対に弱くなっているように感じます。

私の思う強さとは、
心に軸を持つことです。

分かりやすく言えば、360度、
自在に変化できるのがいい軸です。


by. 桜井章一氏

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変化に対応しても軸はぶれない、
あるいは軸が動いて変化にすっと対応できる。

そんな軸のある人は間違いなく強い人です。

人間の心、
あるいは時の移ろいのような”自然の変化”
には逆らってはいけません。

風に吹かれる木々のように、
柔軟な軸を持っていれば流れや変化に対応することができます。


by. 桜井章一氏

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枝が揺れ、葉が落ちても、
風が止めばまた元の形、
元の位置に戻る。

風が強ければ葉っぱが何枚も落ちてしまうかもしれません。

でもそれは、
落としたら損という損得勘定で計るものではなく、
自分の弱い部分が落ちていったと捉えるべきなのです。

風に吹かれ、雨に打たれ、
そういった中で素直に変化を続けていれば、
いいものだけが残っていきます。

森の木々のように、素直に、
そして柔らかく変化に対応していけば、
私の言う軸ができあがっていくはずです。

それこそが「折れない心=強さ」につながっていくのです。


by. 桜井章一氏

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