■神頼みを捨てる思考力 ~心の弱さを克服する、雀鬼流「裏」聖書~ -ワニブックス-
私は脳の一部分を使う感覚で何事も対処してきた。「続ける勇気」というものがあるなら、「諦める勇気」もあるはずである。我々の命は自然から恵まれたものであり、自然から預かっているものだ
精神のバランスを崩してしまうのは、
「脳」を全部使ってしまっていることも一因である。
脳をフル回転させて勉強や仕事を続けてれば、
脳がオーバーヒートを起こすのも当然である。
私は脳の一部分を使う感覚で何事も対処してきた。
体の動きも、思考も、
自然に近い状態を保つには脳を全部使ってしまってはダメなのだ。
by. 桜井章一氏
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集中の糸を張るにしても、
それは一本、
ピンと張るのではなく、
蜘蛛の巣のようにふんわりと四方八方に張る感覚が大切だ。
脳を使って何かを覚えようとする時、
がっちりと掴み取りにいこうとすると、
それは脳をフル回転させることになる。
脳の一部を使ってやっていくには、
掴み取りにいく感覚は一度捨て去り、
漁師が使っている投網を思い出せばいい。
あのようにフワッと、
包み込むような感覚でいれば、
脳はフル回転せず、
精神のバランスを崩すこともない。
by. 桜井章一氏
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脳をフル回転させ続けてきた結果、
脳は疲弊し、
ちょっとしたことですぐに頭の中が真っ白になるようになってしまった。
学ぶことはいいことばかりではない。
学ぶことの怖さや学びが病を生むことも知っておくべきだろう。
死というものを身近に、
肌で感じていなければ、
死が遠い存在になってしまうのは当然のことだ。
しかし、本当の人間社会は自然界と同じく、
常に生と死が密接に繋がっている。
by. 桜井章一氏
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WHO(世界保健機構)の発表によると、
世界でもっとも多い死亡原因は飢えと栄養不足によるものらしい。
飢えと貧困によって毎日、
世界中で2万5000人もの人々が亡くなっている。
しかし、自分の見えないところで生と死が常に繰り返されていることを意識しているのと、
意識していないのとでは、
危機に対する備えも大きく違ってくるはずだ。
文明との接点がほとんどない、
アマゾンの奥地で暮らす部族の中には、
生まれた赤ん坊を生かすか、殺すか、
母親が決める部族があるという。
by. 桜井章一氏
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「強いものが生き残る」
「強い種族を残す」
という野生の本能が彼らの中にはまだ残っている。
これから先、
「安心・安全」を求める日本人の
「生と死の距離感」
はもっと離れていくに違いない。
そして、我々は今よりももっと弱くなっていくのである。
私はすべての物事に対し、
肯定するでも否定するでもなく、
いったん自分の中に通し、
そこで何かを感じるようにしている。
by. 桜井章一氏
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「物事を受け入れる」というが、
受け入れるとそこで止まってしまう。
だから私は、
いい・悪いにかかわらず、
物事をいったん取り入れた上で、
出すようにしている。
どんなものであろうと、
私はとりあえず口にする。
だから嫌いなもの、
敬遠したいものでもいったんは口にする。
by. 桜井章一氏
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精神バランスを保つためには、
食わず嫌いではいけないのだ。
しかし、嫌いなものでも口にしなければ
「なぜ嫌いなのか」
「なぜ受け付けないのか」
が分からないままである。
世間で「これはいいですよ」
とされるものだけ食べていたら、
社会の生み出した”常識”
というまやかしに染まってしまう。
そんな状態では社会の中に仕組まれた狡賢さや
“あくどさ”には気付くことができない。
by. 桜井章一氏
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時には世間で非常識とされるもの、
「これはよくない」とされるものも口にしてみる。
「よくない」とされるものを口にすることで、
「いいもの」の中に潜む”毒”
にも気付けるようになる。
by. 桜井章一氏
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しかし世間の人々は常識といったものに囚われ、
毒のあるものもパクパク食べている。
「悪いこと」とされるものの毒を摂取することで
「いいこと」の中に潜む毒にも気付けるようになる。
人間には美意識というものがあるので、
そこに引きずり込まれていくようなこともある。
「美しいものには毒がある」というが、
植物などを見ても毒のあるものは美しい。
by. 桜井章一氏
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美しい言葉、
いい言葉の中にも毒は潜んでいる。
だから私は”愛”や”優しさ”
といった言葉を信じることはないし、
鵜呑みにすることもない。
世の中で当たり前のこととされる
「常識」にも毒はある。
それを認識した上で、
常識、非常識を自分なりに判断していくことが大切なのだ。
by. 桜井章一氏
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人間の中には、
この微妙なバランスを突き抜けたいと思う人がたまに現れる。
微妙なバランス、
言い換えれば「現実」
を突き抜ければ、
そこには何ものにも囚われない、
無限の自由空間が広がる。
人間がそこに行けば、
誰もが日々の抑圧から解き放たれる。
ギャンブルも人を狂わせる要素を多分に含んでいる。
by. 桜井章一氏
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音楽も芸術の一種なだけに、
現実の世界を突き抜けたいと思う人がたくさんいるということなのだろう。
本能的に”狂”の危うさを音楽に感じているからなのだと思う。
人は生きている以上、
誰でも恐怖感というものを持っている。
人は直接的にしろ、
間接的にしろ”死”
というものを身近に感じた時に恐怖感を抱く。
by. 桜井章一氏
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ただ、必要以上に恐怖感を抱いてしまうのは、
生と死をまったく別のものとして捉えてしまっているからである。
私が恐怖を感じないのは、
生と死というものを同一の輪の中に入れて考えているからだろう。
一日の生活の中で昼と夜があるように、
生と死も円の中でクルクルと回っている。
生と死の両方を自分の中に置いておけば、
“狂”の世界に迷い込むこともないのである。
by. 桜井章一氏
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世の中では「ネバーギブアップ」、
諦めない精神が大切であるとされる。
しかし、やるだけやって、
それでもダメだった場合は、
時として諦めも肝心である。
「続ける勇気」というものがあるなら、
「諦める勇気」もあるはずである。
我々の命は自然から恵まれたものであり、
自然から預かっているものだ。
by. 桜井章一氏
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それを自ら無にするのは自然に反する行為なのだ。
諦めなければ努力は実る、
と言ったりもするが、
間違った努力をいくら続けてもその努力が実ることはない。
諦めたことで別の世界が開けることだって多々あるのだ。
諦めたからこそ、
新しい何かを見つけることができた。
by. 桜井章一氏
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